「のっちぃ〜、あれなん?」
「観覧車だよ」
「なにするやつなん?」
「乗るんだよ。んで、高いところまで行って、そんで降りてくるの」
「……楽しいん?」
「まぁ、のっちなんかはあんま高いところ行くことないしなぁ」
「ふ〜ん」
「あ〜ちゃんは退屈かもね。ジェットコースター乗ってなんとも思わないくらいだもんねぇ」
あ、どうものっちです。
今はあ〜ちゃんと遊園地に来てます。
何を隠そうのっちとあ〜ちゃん、一緒に住んでます。
元々そうだった?
い〜え違います。
あ〜ちゃんはもう天使ではないんです。
あ〜ちゃんがそう望んで、のっちと住んでるんです。
意味が分からない?
そうでしょうそうでしょう。
のっちだって意味が分かりません。
ついこないだの公園でのことです。
『のっちからあ〜ちゃんに対する気持ちが、何一つ邪念のないものになった』そうで。
『今まで仕えた人は必ずなんかしら悪い事考えてた』そうで。
『のっちは心の底からあ〜ちゃんに対する綺麗な気持ちが溢れていた』そうで。
『そしたらいつの間にかあ〜ちゃんものっちとずっと一緒にいたいって思っとった』そうで。
『この人なら大丈夫って思ったんよ』だそうです。
いやね、のっちの一途な気持ちが天使の心を打ったね。動かしたね。
いやぁ〜、あ〜ちゃんの体は柔らかい。あったかい。いい香りだし、もうヤバいね!
え? ゆかちゃんとはどうしたって?
それなんだけど……
「のっちなにボーッとしとるん?」
「え、いや別に」
「変なのっち」
「のっちが変なのは今に始まったことじゃないけぇ、気にしたら負けよ」
「そうなん? なんかゆかイマイチよく憶えてないんだよなぁ、のっちとどうやって仲良くなったか」
「あ〜ちゃんは出会った瞬間からのっちは変なのだと思っとった」
「なんか二人とも酷くない?」
「ヤダ? こういう扱い」
「……ヤじゃないかも。むしろもっとや「のっち」
「……はい」
「キモイ」
「はいすいません」
そう。ゆかちゃんも一緒です。
二人してのっちに見せつけてるのかってくらいにイチャついてます。
そりゃ大好きな二人が目の前で仲良くしてたら、のっちはもうなんだって良くなっちゃうんだよ。
あ〜ちゃんから聞いた話。
天使は仕える人に恋すると、天使ではなくなるらしい。
でもあ〜ちゃんは今まで真面目にやってきたから、堕天使にはならずに一時的に休暇を貰えたらしい。
ってことはまた天使に戻るんだね、いつかは。
そしてそれまでの間は、のっちと過ごすことを望んでくれた。
と同時に、ゆかちゃんと仲良くなれる様に“ちょっと工夫”したそうな。
もう空は飛べないけど。
のっち達となんら変わらない体になったけど。
のっちの気持ちは、分からなくても大丈夫って言ってくれた。
「のっちぃ、次行くよ!」
その笑顔は、天使だった頃以上に天使の様だし。
あたしの願いは、なんだかんだちゃんと叶えてくれたし。
「地球は広いけぇ、死ぬまでに全世界遊び尽くすんじゃ! のっちもちゃんと着いて来んさい」
「あ、えっとあ〜ちゃん。遊ぶにはお金が必要でして、働かないと……のっち貯金がそろそろ底を「のっち」
「……はい」
「手っ取り早い方法があるんよ」
「……え?」
「人気者になって荒稼ぎできる最高の方法をあ〜ちゃん知っとるんよ」
「え、なになに?」
「ゆかちゃんの力も必要じゃ」
「ゆか特技メールの速打ちくらいしかないけど」
「そんなんせんでええ」
「どうすんの?」
「良く聞きんさいよ……」
「勿体ぶるなぁ」
「まぁあ〜ちゃんの考えることじゃけぇ、きっと楽しいことよ」
「ちょっと二人とも耳貸しんさい」
「うん」
「なに?」
「あんね……」
〜end〜
最終更新:2009年11月01日 03:21