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Kside


私たちはなにも
失ってなんかいない
そう信じて1年になる

自動ドアが開く

前にのっちが言ってたな
『この臭い嫌い』
私も嫌い

今では慣れてしまった

だってあ〜ちゃんからも
この臭いがする
1年もの間
毎日…ずっと

上へのぼるエレベーター
のっちは毎回
ふざけて『上へまいります』
なんて裏声で言う
つっこんでなんかやらない
毎回反応しない私に
しょんぼりする
1年もの間
毎回…ずっと
馬鹿だと思う

さて扉を開けようか



Nside


大丈夫
こんなの慣れっこ
にこりともしないゆかちゃんの
後ろから部屋に入る

「やっほぉ、今日は寒いね。」
「ほんまよぉ、鳥肌たちまくり」

もちろん返事はない

1年もの間
毎回…ずっと
返事のない会話

会話ってさ
言葉のキャッチボールがあるから
会話なんだよね
なんだ
だったら
会話ですらないんだよ

投げっぱなしの言葉は
あ〜ちゃんのベッドに
積もり積もって
山になってるんだ

毎日毎日ずっと
投げつづける言葉

それでも
私たちは投げる

疲れたら癒し合って
また投げる

だから
恋なんて甘い蜜を
二人で舐める

でなきゃ
逃げ出すだろうから

きっと君は

そして私も






最終更新:2009年11月01日 03:30