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Side-a


—のっちがおったんよ

えっ、のっち?
いやいや、、、えっ、のっち?

んなわけないじゃん・・・だって・・・・


ようやく、口を出たのは
「いつもの駅?そこで待ってて!」
だった。



ムリを言って、抜け出した職場。

向かったそこ。
ホームのベンチに腰掛けた、かしゆかがいた。
視線は、向かいのホームを漂っている。


「…かしゆか?」
「あ、あ〜ちゃん」
振り返ったその瞳は、きちんとあたしを捉えていて、、
少し安心した。

隣に腰を下ろす。


通過列車が通り過ぎ、二人の髪をなびかせる。


「…朝から、ずっとここにおったん?」
「うん・・・」

—のっち?

そう言葉を続けようとしたけど、喉元で詰まって出てきてはくれなくて。

次の電車の到着を告げるアナウンスが鳴り響く。


「ごめんね、、、びっくりしたよ、ね?」
「あ、、うん・・」
「ゆかも、びっくりしちゃった・・・」
「…」
「でも、あれは絶対のっちだった、、、のっちだったん、だよ・・」
「…」
「・・・あ〜ちゃん?明日、付き合ってもらっても、、いい?」
「え・・・」
「…明日も、、、のっちが現れる気がするの・・・」
「わかった・・」


わかった、
としか、言えなかったよ。

ありえない、なんて言うのは簡単だ。
でもきっと、そんなこと
かしゆかだって、わかってる。
わかりきっている。

やめとこ?、そう言うのが親友の役割なのかもしれない。

でもそんな、誰もができるようなこと
そんなことするのが、あ〜ちゃんの役割じゃないでしょ?


かしゆかと同じように、向かいのホームに
視線を投げる。


そんな簡単に、ふっきれるわけないよね。


あ〜ちゃんでさえ

そこに、のっちがいるんじゃないかって
そんなふうに思ってしまうのだから。







最終更新:2009年11月01日 03:43