Side-k
はぁ、はぁ、、はぁ、はぁ、、、
必死に走った。
もうっ!なんでこんなときに限って、ヒール高いの履いてきちゃったんだろ・・
はぁ、はぁ、はぁ、、、
こんな全速力、いつ以来?息が苦しい。
でも、、、急がなきゃ。
はぁ、はぁ、、っ、、、はぁ、、、、
のっちが、そこにいる。
麻痺し始めた足を必死に動かして、階段を駆け上る。
電車の出発を知らせるアナウンス。
いつものっちが乗っていた、快速電車。
ま、待って!
階段を上りきる、少し手前、発車のベルが、耳に鳴り響いた。
行かないでっ!
上りきると同時に、電車は走り去った。
っ、、はぁ、はぁ、、はぁ、、、っ、、、はぁぁ、、、
のっちの姿は、もう、なかった。
Side-a
ようやく動き出した、カラダ、と
思考回路。
行かなきゃ・・・
向かいのホームに行くと
かしゆかは、蹲ったまま、へたりこんでいた。
「…大丈夫?」
そっと、手を差し出すと、無言で、手をとり立ち上がる。
「・・ねぇ、、、のっち、だった、、、よね?」
っ!・・・・かしゆか・・・・
「似てたけど、、、
んーん、あれは、“似てる”なんて、ものじゃなかった。けど、、
「のっちじゃ、ないよ…」
だって、、、のっちは、もう、いないんだから・・
「のっちじゃない」
顔を上げた、かしゆかの瞳からは、今にも涙が溢れ出そうで・・
「で、、でも・・・
「もう、のっちはいないんだよ?」
冷たいだろうか?
でも、、、ちゃんと伝えるのは、あ〜ちゃんの役目、でしょ?
…あ〜ちゃんだって、、、、こんなこと言いたいわけじゃないけど。
俯いてしまった、かしゆかは、しばらく黙っていたけど
「うん、、、そだね・・・ごめんね、あ〜ちゃん」
「…んーん・・」
「付き合ってくれて、ありがとう」
そう言って、寂しそうに笑った。
Side-k
「じゃ、ゆか、仕事に行くね。あ〜ちゃんも気をつけて」
そう言って、あ〜ちゃんと別れた。
—もう、のっちはいないんだよ?
そうなんだ、、、そうなんだよ。
のっちのはずが、ない。
そう、自分に言い聞かせたものの、
ココロは、そんな簡単に割り切れるものでもなく・・
仕事は散々だった。
関さんに、注意されまくって、、、、なにやってんだか・・・
帰りの電車に揺られながら、出てくるのはため息ばかり。
最寄駅に到着する頃には、雨が降り始めていて
あぁ、今日はとことん、ついてないや。
でも大丈夫。ちゃんと、折りたたみ傘持ってきるから。
癖ってものは、抜けないものだな。。
なんて考えながら、改札を出て、カバンから傘を取り出し
さぁ、帰ろうっか、、、思った瞬間
出口に、見慣れた後姿。
やっぱ、ゆか、、、、どっかおかしいんかな?
だって、、、、あれ
絶対、のっちだよ。
最終更新:2009年11月01日 04:08