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Side-k


ゆっくりと、その後姿に近づく。
隣に並ぶ。
“その人”は、大きな瞳で、空から零れ落ちてくる、雨粒を眺めていた。


「あ、、あの・・・」
ん?・・そんな表情の彼女と、視線が交わる。
「…傘、持ってないんですか?」
眉をハの字にして、答える
「・・・そうなんですよ、、、だから、どうしよっかなって」


あぁ、、なんで、こんなに似てるんだろ?


「うち、、どこですか?」
「んー・・・あっち?」
首をかしげ、ゆかが帰る方向を指差す。・・・てか、なんで疑問系なの?
「・・・よかったら、、、一緒に入りますか?」
「えっ?」
「あ、うちも、そっち方向なんで…」

なに言ってんだろ?
普通なら、絶対こんなこと、言わないじゃん・・

「・・途中までに、なっちゃうかもしれないけど…」

彼女は、大きな瞳を見開いていたかと思うと

「じゃ、お言葉に甘えて」とゆかの隣に並んで歩き出した。
そして「あ、持ちますよ」
そう言って、傘を持ってくれた。


少しだけ背の高い彼女が、傘を持つほうが
もちろん、窮屈じゃないのだけど・・・

のっちも、いつも、そうしてくれたな。。。


雨の中を歩き出す。

のっちは、折り畳み傘なんか持ち歩かない性質だったから
雨降りの日は、ゆかの帰りを、のんびりと駅で待っていた。
「適当に傘、買えばいいじゃん」て言っても、
「んー?ゆかちゃんおるのに、もったいないじゃん」
そう言って、笑ってた。





声をかけておきながら、無言で足を進める。
時折、ちらっと隣を窺うけど、、、


ここまで似てるって、、、なんなの?


鼓動があがり、さっきから、うまくコントロールできない。


あたまの片隅では、
そんなことあり得ないって、警告音が響いてる。
けど、、、



隣を歩く彼女は
…こっち?
なんて言いながら、ゆかのうちへと
どんどん近づいていく。


雨は、いつの間にかあがっていた。


ここ、、、かな?


なんで、さっきから
疑問系なん?・・・



指差したのは、ゆかが住んでるマンションで。


ゆかとのっちが暮らしていた、とこ、で。



とっさに
すべての疑問は、喉の奥に飲み込んだ。


「ゆかも、、、ここなんだ・・・」
「えっ、、、あ、、、そうなんだ」

「…もしかして、記憶、、ない、とか?」
「んー・・そうなのかなぁ…」


全っ然、わけわかんないくせに

どっか、アタマは平常心で


きっと、のっちなんだ、、、て


都合のいいように考えちゃって、、、


「…よかったら、あがっていく?」



そう、呟いた。








最終更新:2009年11月11日 03:48