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遠く遠く微かに届く車のクラクション。
小さな雑音が私たちの沈黙濃さを知らしめていた。


のっちは何も話さない。
ゆかは何も話せないし動けない。

確かめるって?
ゆかの身体、どっかおかしいん?
何考えてるん?
何で何も言ってくれんの?


刹那、強い抱擁。


骨が軋むほどののっちの腕と強引に絡みつく舌はこの先の激しさを感じさせて
胸が締め付けられた。


思いのままに呼吸を乱した唇が耳朶を軽く噛んで、
鎖骨を緩く吸い上げて乳房の先端を舌が転がす。
項を擽る手が、反対側の乳房に触れ、解されていく。
「んっ!……あ、…はっ!」
刺激に耐えられなくなって、掴むものを探してシーツに手を這わせると、
のっちが空いた手で握り締めてくれた。
その間にものっちの舌はゆかの両胸を休むことなく刺激してくる。
「…あ…っ!…っち!……のっちぃ…!」
物言わぬのっちに比べてゆかは些細な刺激に声を漏らしてしまう。
隣の部屋にはあ〜ちゃんが眠ってる。ちゃんと分かってる。
分かってるのに堪えられない。
聞かれたりしたら恥ずかしくて死んじゃう。
誤魔化すように何度も名前を呼ぶと、
その度にのっちは顔を上げて名前を呼び返し、唇を重ねてくれた。
「…ゆか…ちゃん…っ」
胸を刺激していた手が脇腹を撫で擦って、
くすぐったくて身を捩った。
「…んんっ………!」
唇は胸の先端をくわえて温かい口の中で舌に押し潰されていく。
「…あんっ…!…それ…ダメっ…ん!」
声を殺すのにもう意思の力は役に立たなくて、
枕を掴んでいた右手首を必死で噛んだ。
「…声、出して?…大丈夫……あ〜ちゃんなら…一度眠ったら起きんけぇ…」
「…やっ…!…バカ…もう嫌い……っ!」
思考を見透かされて、しかもわざとあ〜ちゃんの名前を出して焦らせる。
のっちのいじわる。
余計に恥ずかしくなって悔しくなって、
仕返しに手をのっちの耳から項へ這わせると
小さく吐息が漏れた。
同時にのっちの動きが一旦止み、ゆかの手を引き剥がす。
甲に唇が落とされた。
「……ごめん」
さっきまでの荒々しさが嘘のように切ない顔ののっち。


最初は、声をからかったことを謝られたんだと思った。
「…ゆかちゃん、ごめん……本当……ごめんね…」
けど、違った。
何を謝ってるのかは、
直後にもたらされた圧倒的な快感が教えてくれた。


つづく




最終更新:2009年11月11日 04:17