Side-k
今日、“初めて”会った人を部屋にあげる
ゆかも相当、麻痺しちゃってるけど
「あ、じゃ、お邪魔します」と言って
上がりこんできた、この人も、相当だ。
部屋に入ると、ぐるっと見渡し、佇む彼女。
「…どうか、した?」
「いや、、なんか、、、懐かしいな、なんて…」
「・・・」
「あ、ごめんなさい。変なこと言って」
「いえ…」
しばらく部屋の中を散策していた視線が、ゆかで止まり
「なんだか、居心地がいい部屋ですね」
そう言って、やさしく微笑んだ。
「あの、、名前は?」
「・・んー…」
「・・覚えてない、の?」
「うん、、、そんな感じ?」
「あ、、」
「ん?」
「これ、、、恋人ですか?」
彼女が手に取った写真立てには
のっちとゆかの2ショット写真。
「…どして?」
普通、女の子同士の写真を見て“恋人”だなんて思う?
「いや、なんか、すごく幸せそうだなって思って」
そりゃ、そうだよ、最高に幸せだった瞬間を切り取った
お気に入りの1枚だもん。
「恋人、、ですよ。…もう、“別れた”けど」
「あ、、、そうなんだ…」
とっさに、少し嘘をついた。
「それにしても、、、似てます、よね?」
「えっ?」
「あたしに、、、自分でもびっくりしちゃうくらい、似てる」
「あぁ・・・」
「だから?」
「えっ?」
「部屋にあげてくれたの」
「・・・」
なにも答えられなかった。
だって、否定できない。
「名前は?」
「えっ、、、
「彼女の名前」
「あ、、のっち」
「のっち?」
「あ、うん。あやの、なんだけど、のっちって呼んでたの」
「そ、なんだ」
「じゃぁ、さ。のっちって呼んでよ」
「へっ?」
「やっぱ、ダメ?」
「いや、、、ダメっていうか、、、なんで?」
「んー・・なんとなく?」
なんとなく、なんて言ってるくせに
その瞳は、まっすぐで、真剣で。。。
「じゃぁ、、、記憶が戻る、まで?」
「うん、そう、戻る、まで」
「…のっち?」
「うん、のっち」
「…ここに、おる?」
「…ゆかちゃんが、いいのなら」
「あれ?・・名前言ったっけ?」
「あれ、さっき、ゆかって言ってなかったっけ?違った?」
「いや、違くないけど…」
「ダメ?」
「…ダメ、じゃない・・」
—じゃ、そういうことで。
そう言って、目を細めて笑う姿は
めまいを起こすくらい
のっちそのもの、だった。
あぁ、もう
この人が
夢でも、幽霊でも
例え、変質者でも
いいよ。
こうして、“のっち”との生活が
再び、始まった。
最終更新:2009年11月11日 04:22