Side K
あ〜あぁ
あ〜ちゃんとはぐれちゃったぁ…
のっちは何を追いかけとったんかね?
どうせ、ろくでもないのじゃろうけど…
私は屋台が並ぶ通りから少し外れて、池の淵の石に腰掛ける
あんまり動き回っても、たぶんすれ違いとかしそうだし、しばらくココにいよっと
ガヤガヤ聞こえる音に、自分もさっきまであそこに居たんだな〜なんて思って
あ〜ちゃんは、あそこで私を探してくれとるんじゃな〜って妙に嬉しくなった
「あれ、奇遇じゃのぅw」
なんて声を掛けてくるから誰かと思えば…
「彼女とデートじゃないん?w」
少しからかうみたいに言ってくるのが、感に障る
ここの入り口で、あ〜ちゃんと無視して置いてきた男だ
「はぐれただけです」
「ふ〜ん。ゆかちゃん、だっけ?オレめっちゃ好みのタイプなんじゃけどw」
「は?」
「やwだから好みなんよ」
「じゃなくて、なんで名前…」
「え?あぁ、さっき彼女が言っとったじゃろ?」
あ、そういえば言ってた…
「ね、はぐれたんなら、オレと一緒に回らん?」
「嫌です」
「うわwめちゃストレートw」
ん〜見た目は悪くないけど…なんかチャラい…
やっぱ、あ〜ちゃんのが百倍カッコイイ
わんわん!
(あ〜ちゃん!ゆかちゃんおった!)
あ、のっち
男の後ろから走って足元まで来たのっちを抱き上げて、のっちが来た方を見ると
そこには真顔のあ〜ちゃん
そのままコッチに近づいてきて、男の後ろで立ち止まる
「またあんたなん」
「そっすねー」
あ〜ちゃんの方へ向きを変える男
「…ゆかちゃんコッチ」
視線を私にくれて、自分の後ろを指差すあ〜ちゃんに言われたように、のっちを抱えて立って男の横を通り過ぎようとしたら
いきなりグイッと引っ張られて、男が抱きしめてきた
「オレ、ゆかちゃんに一目惚れしちょうたけぇw」
はぁ?何コイツ!!
あ〜ちゃんの顔もヒクついて
次の瞬間、あ〜ちゃんがズンと男に近づいたかと思ったら
「い゛っだぁww」
あ〜ちゃんに思いっきり足を踏まれた男が悲鳴を上げて、私から手を離した
そして今度はあ〜ちゃんの後ろにグイッと引っ張られて、あ〜ちゃんが守ってくれる
「じゃけぇ、あたしのゆかに触んな!このチャラ男がぁ!」
ふぇw///本日二度目w
にゃーwあ〜ちゃんカッコええww
「ったぁーwなん?あたしのってなんなのそれ?キミのじゃないじゃろ?」
さっきまで私が座っとった場所に座って、足をさすってる男
「そんなんそのままじゃ!…ゆか」
あ〜ちゃん、相当ご立腹の様子…
やっぱ、百倍じゃなくて百万倍じゃな〜なんて、ぽ〜っと考えとった私は不意に呼ばれて
「はへ?」
間抜けな返事をした瞬間、顔をあ〜ちゃんに引き寄せられて
「ぅwん!」
いい感じのキスをされていた私…
目の前の男も固まってる
そりゃ、いきなり女の子どうしのキス見せられたらそうなるわw
ふはぁと唇を離したあ〜ちゃんが男に向き直る
「っちゅう訳じゃけぇ…てぇ、ん?」
けど、男はまだ口が半開きで固まっとるみたいで…
「…よし、ゆかちゃん行こ」
少し考える素振りをした後、何もなかったかのように、私の手を引いて賑やかな祭りの中へと向かいだすあ〜ちゃん
「ぇ、あの人放っといて良いん?」
「ゆかちゃんに手ぇだすヤツなんて知らんもぉん」
「ははは…」
えっとぉ…ご愁傷様でしたぁ…w
「あ〜ちゃん結構探した?」
「え?あぁ、あんまりー。多分ゆかちゃんならあんまりそこから動かないだろうなぁと思ったけぇ。それに、あの辺行ったらのっちが走り出して、またぁ?って思ったらゆかちゃんだったw」
「そっかwのっち見つけてくれたんだぁ」
嬉しくてのっちの頭を撫でる
わうw(やったぁwゆかちゃん撫で撫でだぁw)
褒められてご機嫌なのっち
「あ、そういえば、途中でのっちに会ったんよ」
「ん?」
(のっち?のっちなん?)
「あw人のほうね?」
「あー、来とるんじゃ」
「それが、じんべぇ着よってからぁ。しかも似合っとるけぇ、ありゃぁ、絶対女子にモテとるな」
「結構、告白とかされるみたいじゃよ?」
「やっぱり…」
「でも、本人あんま興味ないみたいw本人曰く今はネコのかっしーにゾッコン中らしからw」
「あぁ…今日も逃げられてたなぁ…」
その姿が簡単に想像できて、笑ってしまう
「へへw…よし!もっかい仕切りなおしで、楽しんじゃお?」
「うん!」
わん!(のっちもぉ!)
「はいはいwあんたもね?」
くぅw(わわwあ〜ちゃん撫で撫でなのらw)
あ〜ちゃんの言葉通り、思いっきり楽しんで
リンゴ飴買って、お好み焼き買って、あ〜ちゃん得意のヨーヨーのぽんぽんに私の得意な金魚すくいに…色々して、ホント楽しくって…
帰るのが勿体無いくらいで…
でも、時間は過ぎて…
帰り道のっちは、はしゃぎ疲れて眠って私の右腕の中
反対の手はあ〜ちゃんと繋がって
「あ、帰ったらスイカパーチィが待っとるけぇw」
「うんwしよしよ?」
祭りはまだこれからよ?
あ〜ちゃんはそう言って笑う
うん
きっと忘れられない、二人だけのお祭り…
今日のあ〜ちゃん、絶対忘れんよ?
ひひwまた忘れられない日が増えたねw
—つづく—
最終更新:2009年11月11日 04:32