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「おやすみぃ〜」
『おやすみw』


いつからだったっけ
こうやって、寝る前に必ず声を聞くようになったの

たった一言

その為だけの電話
あなたは飽きもせずに毎日付き合ってくれる
おやすみしか言わないことだってある


数ヶ月前…
ベットに入ってもなかなか寝付けなかった日

時計を見れば、これから電話なんて明らかに迷惑な時間
でも、あなたなら大丈夫な気がして、あたしの指は自然とあなたの名前を選んでいた

『もしもし?』

ハッキリした声
ほらね?やっぱり起きてる

「あ、ごめんね?こんな時間に」

それでも一応、謝罪の言葉を伝える

『あw全然?起きてるしwあ〜ちゃんこそどうしたん?こんな時間に』
「あ〜…なんとなく?」

寝付けなくてなんて言ったら、心配させちゃうから

『なんとなくぅ?』
「そ、なんとなくw」
『なぁんだぁwのっちの声聞きたくなったぁとかじゃないん?』
「んな訳ないじゃろ」
『っすよねー』

でもあなたの声は、あたしをほっとさせてくれて
ちゃんと眠れそうな気がするから



「ただ、なんとなく…」
『ん?』
「おやすみ…って言いたくなったんよ…」
『へ〜、そっかぁ。じゃあ、あたしもおやすみぃw』
「うん…おやすみ」

そう言って電話を切ると、さっきまで寝付けなかったのが嘘みたいに、気持ち良い眠りに就いた



あの日から
寝付けない日はのっちに電話をして、おやすみって言うようになって
それが、いつの間にか毎日になって…

仕事があってもなくても
地方のライブで、ホテルに泊まって部屋が隣だろうが
それは、寝る前の習慣になっていた

ビックリしたのは、あなたが具合が悪いからって早めに帰った日
さすがに迷惑だと思って、電話をせずにベットに入って目を閉じたけど
あたしの意識は薄れることなく、結局部屋の天井を見つめていた

毎日あなたの『おやすみ』を聞いていたから、落ち着かなくてモヤモヤする

何度か寝返りをうつと、不意に携帯が鳴って、名前を確認したらあなたで
慌てて通話ボタンを押したのを憶えてる

「のっち何しよん?」
ちゃんと寝なきゃダメでしょ?
『やぁ〜、なんか変なんよ〜』
鼻声のあなたが返してくる



「何が?」
『ん〜、寝ようと思って、ベット入っとるんけど…寝付けんのよぉ』
「そんなこと言っても…」
あたしには何も出来ないよ?

『っていうか、気になって寝れんのよ』
「仕事のこと?」
『いやぁw』
「じゃぁ何?」
『寝る前にあ〜ちゃんに「おやすみ」言わんとぉ』

「え?」
『毎日言っとるけぇw何か忘れてるみたいで、気持ち悪いんよ』

あなたも同じ
『おやすみ』を言わないとモヤモヤしてくれる
それが妙に嬉しく感じたの

「あたしも…」
『なんだ、じゃあ電話してくれたら良かったのにぃ』
「具合悪いのにそんなこと出来んじゃろ」
『あwそっかw』

なんか調子狂っちゃうな…

「それじゃ、早く治すんよ?おやすみ…」
『うん、ありがと。おやすみ』


うん…やっぱり
あなたと交わす『おやすみ』の時間は
一日で一番…
大切な瞬間


でもね?最近は何だか
もっと大事な事を言いそびれてるような、そんな気持ちになるの
なのに、それが何なのか分からないから

今日もあなたに

おやすみなさい…


<おやすみ>fin





最終更新:2009年12月09日 13:53