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小鳥のさえずり、窓から差し込む朝日、キッチンからグツグツと食欲を刺激する音と香り。
鼻歌を歌いながらピンクのエプロンでそこに立つ後ろ姿を眺めながら、のっちはうっとり溜め息を付いた。
なんか…のっち達、新婚さんみたい。なんて考えながら一人でニヤニヤしていた。自分、かなり気持ち悪いね。食欲じゃなくてむしろ性欲が刺激されてる。エプロン姿…かなり可愛い。
「のっち〜目玉焼きとスクランブルエッグ、どっちが良い?」
「スクランブルエッグ!」
「えーあ〜ちゃん目玉焼きが良い」
「…なら聞かんでよ」
クスクス笑うあ〜ちゃん。もう、そんな意地悪…まぁ可愛いから良いけど。むしろもっとやって欲しいくらい。
見てるだけじゃアレだから、何か手伝おうとあ〜ちゃんに近付いた。覗くと、やっぱりスクランブルエッグだった。
「のっちも手伝うよ」
「ほんま?じゃあ棚からお皿出して」
「うん、」
言われた通りにするのっち。かなり良い匂いがする。あー早く食べたいな。でも食べるのもったいない。うーん困った。
「あ〜ちゃん、他にやる事ない?」
「特に無いねぇ…ゲームでもしとりんさい」
「えーやだ。のっち手伝いたい」


駄々っ子みたく拗ねるのっち。だって近くに居たいんだもん。
「じゃ味見して?」
はい、とお玉にすくった野菜スープを差し出すあ〜ちゃん。熱いから、とフーフーして冷ましてくれた。正直興奮した。
「いただきまーす」
それを口に含んだ瞬間、感動した。美味しい!あ〜ちゃんは料理の天才ですか、と。
「どう?味薄かったかな」
「ううん、めっちゃ美味しい!あ〜ちゃん天才!」
「そんな褒めても何も出んよ」
笑い合うのっち達。本当に幸せを感じる。
あ〜ちゃんが綺麗にお皿に盛り付けていくのを見ていた。ジグソーパズルみたいに、段々完成に近付いて…。
「はい出来ましたー!」
あ〜ちゃんが手を叩く。のっちも拍手。見てるだけで涎が垂れそうだ。今すぐお嫁に来てよ、あ〜ちゃん。

◆A-side◆

「おいひ〜!」
スクランブルエッグを頬張りながら、のっちが叫ぶ。行儀悪いけど、素直に嬉しいから良しとする。上手に作れて本当に良かった。
「のっち、水族館どうする?本当に行くの?」
「うん行く行く、あ〜ちゃん行きたくないなら良いけど」
「あ〜ちゃんも行きたい」
「なら行こ!あ〜ちゃんと行きたいなって思ってたの」

ニコニコ笑って言うのっち。本当に楽しみなのが伝わってくる。あ〜ちゃんも釣られてニヤけてしまう。
のっちはあ〜ちゃんの作った料理をペロリと平らげた。ちょっと少なかったかな?と反省。
「ごちそうさまでした」
「美味しかった?」
「うん!ヤバかった!」
ヤバいって…どっちの意味にも取れるような。でも良い方に違いないよね。
あ〜ちゃんも残りをササッと食べた。冷蔵庫の中に有る物だけで出来るとは…あ〜ちゃん腕上げたかも。
「あ〜ちゃん、水族館行く前に家寄りたいんじゃけど良い?」
「うん良いよ」
のっちの格好は寝巻のTシャツに短パンというラフな格好。これで水族館は確かにちょっと…ね。だからきっと家で着替えたいんだね。
あ〜ちゃんも今日はおしゃれな格好をしよう。お気に入りのワンピースに、化粧もバッチリにして。どんな格好でものっちは可愛いって言ってくれるけど、それに甘えてちゃダメ人間になりそうだから。
「お皿、洗うね」
そう言ってあ〜ちゃんは二人分のお皿をキッチンに運ぶ。のっちも手伝ってくれた。
「そこ置いといて」
「うん」
のっちのお皿は、洗う必要のないくらいピカピカだった。

◆19:End◆






最終更新:2008年10月12日 17:07