Side A
「会いたいな…」
自分で何なのか分からない気持ちが、言葉になった瞬間だった
本当なら『おやすみ』を伝えるその時に
あたしはそう言ってしまった
ハッとしたけど、それはもうのっちの元へも届いていて
『じゃあ、今からそっち行くわ』
あたしは必死に時間も遅いし来なくてもいいから、って断ったんだけど
『えーやだぁー。もう行く気んなったけぇ。勝手に行っちゃうからw』
そのまま電話は切られて
今のっちは、あたしの部屋に居る
「ホントに来たん」
「だって、会いたいって言われたら、会いたくなったんもん」
ベットの端に座りながら話すあたしと
床に座りながら話す、少し困り顔のあなた
「困った子じゃねぇ」
「へへwでも、あ〜ちゃんも会いたかったんじゃろ?」
「んー…」
無意識に言った言葉だから…
来てくれて嬉しいと思う自分と、なんだか落ち着かない自分がいる
「隣、行っても良い?」
「…うん」
あたしがそう返事すると、嬉しそうに立ち上がってベットに座ってくるあなた
そんなあなたを目で追いながら、隣に座ったあなたと目が合えば
静かに上がる自分の体温に気付く
そっか…これが大事なこと、か…
欠伸をしたあなたの目は涙目で
つられてあたしも欠伸
「眠いわぁ…」
「じゃねw」
「一緒に、寝よっか」
「へ?」
「もう、遅いけぇ。泊まっていきんさいな」
「ぇ、ぁ、ぅ、ぅんw」
言った後に少し後悔しながら
二人じゃ少し狭いベットに入ると
「あ〜ちゃん、こっちおいでよ」
「…ぅん」
「そっち、落ちちゃうといけんから」
少し戸惑ながら寄るあたしを、壁側のあなたに抱き寄せられる
どうしよう、これじゃあ落ち着かないよ
あなたの胸元に顔を寄せながら、想定外の緊張にきゅっと目を閉じると
あ〜ちゃん良い匂いwなんて言いながら、そっと、優しく髪を撫でられる感覚
誰かに撫でられるが大好きなあたし
心地好くて緊張も解けていく
「のっち…」
「はい」
「おやすみの前に…」
「ん?」、
きっと、ずっと伝えたかった言葉があるの、聞いてくれる?
あなたは、どう思うかな…
「あの、いつも、ありがと…のっちとゆかちゃんに逢えて良かった…」
「ぅんwのっちもありがとうだよ」
「あと…」
“ずっと、好きだったの”
でも、結局言葉にしたのは…
「…おやすみなさぃ」
「?ぅんwおやすみ」
あなたは、少し不思議そうな顔をしたけど
気にしないで『おやすみ』を言ってくれた
ごめんね?
やっぱり面と向かってなんて、恥ずかしくて言えないから
明日、電話した時に…それでも緊張するけど…
おやすみの前に
伝えるからね
だからお願い
今日はこのまま
夢まで連れていってくれる?
<おやすみの前に>fin
最終更新:2009年12月09日 14:04