ご飯の後、あ〜ちゃんの着替えを終えたあ〜ちゃんとのっちは西脇家を後にした。
のっちの家まで歩いて向かう途中、かなり挙動不審だった。だって…あ〜ちゃん凄く可愛いんだもん!
フワフワなシフォンワンピがとても似合ってる。髪なんかアップにしてて、ナチュラルメイクが女の子らしさを更に増幅させる。のっちかなり胸キュン気味。
「さっきから何よ、あ〜ちゃんの方ばっかチラチラ見て」
あ、ついに怒られた。
「いや…べ、別に」
「変な子じゃね」
そうこうしている間に大本家に到着。さぁさっさと着替えて水族館へGO!!
◆A-side◆
「お待たせ、行こっか」
リビングのソファでくつろぎながらのっちの着替えを待つこと数分。いつもののっちらしいファッションで二階の部屋から降りて来た。
手には真新しいデジカメ。そう言えば最近買ったって言ってたっけ。それをデニムのポケットに押し込む。薄くてコンパクトが売りらしい。
「お魚撮りまくるぞ〜」
のっちは無邪気にそう言う。本当、無邪気だ。
「あ〜ちゃんもイッパイ写ってね、のっちの思い出になるんだから」
のっちの思い出…そんな宝物に自分が加われる事が何より嬉しい。
のっちの思い出は、あ〜ちゃんの思い出でもあるんだよ。いつまでもずっと色褪せないんだから。
「のっちも写らんとダメじゃろ」
「あ、そっか!のっちとイッパイ写ってね」
思い出した様に言うのっち。そんなおバカな所すら、愛しい。あ〜ちゃん、本気でのっちが好きだ。誰にも渡したくないよ。
◆
駅前でバスに乗った。祝日という事もあり、車内は超満員で大変な状況だった。
「う…ぐ、」
「せ、狭い…」
人と人とに挟まれ、身動きが取れない。思わずのっちに抱き付く様な体制になった。体が密着する。
「苦しい…ね」
「うん…」
窮屈で息苦しい。のっちもあ〜ちゃんも、息が荒くなる。暑くて手が汗ばんできた。
「あ〜ちゃん」
「うん…?」
のっちの手が、あ〜ちゃんの腰に回された。そっと抱き寄せる様に。
顔が近い。視線を上げると、目が合った。
「なんか…ムラムラしてきた」
「なっ…」
アホー!こんな時に何を言ってるの、この万年発情期犬は。ここどこだか分かってるの?
「あ〜ちゃんの心臓の音…伝わってくるんだもん」
「あ…、」
言われて気が付いた。あ〜ちゃん今、凄くドキドキしてる。のっちと密着してるからかな?
「あ〜ちゃんドキドキしとる…なんで?」
「なんで…って、」
うわ、ダメだ…心臓が激しく動く。分かってて聞いてるんだよね、この確信犯。絶対わざとだ。
「あ〜ちゃん顔真っ赤」
「う…うるさいっ!」
「うあっ、暴れないで」
なんで…のっちのくせに。のっちのくせにあ〜ちゃんを弄ぶなんて…。
◆N-side◆
バスのアナウンスが目的地に到着した事を告げる。それと、さっきからあ〜ちゃんが可愛過ぎて欲情しちゃう件について。
密着してるから、あ〜ちゃんの柔らかい体とか匂いとか…全てがのっちを刺激するんだ。あと、む、胸が当たってる…。
この状況で興奮しない人なんているの?いやいないね。痴漢の心理が分かった気がしたよ。さすがにあ〜ちゃんに痴漢はしないけどさ。
「のっち、手」
「手…?」
「降りる時はぐれん様に…つないでて」
そう言って、あ〜ちゃんはのっちの手を繋いできた。ヤバい、可愛い。
バスが停車した。のっち達は他の乗客を掻き分け降り口に向かう。その手はしっかりと握られたまま。
◆20:End◆
最終更新:2008年10月12日 17:13