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「…やだぁっ…!」

拒絶の声に、それまで頭を侵し続けていた病的な熱が急激に引いていくのが分かった。
なのに、聞き分けのない指はまだゆかちゃんに向かって伸びようとする。
もうダメだと思った。

「…やらしい顔…まだ足りないって顔してる」
ひどいこと言っとる。
でも自分でブレーキがかけられんなら
ゆかちゃんにかけてもらうしかない。
責めてよゆかちゃん。こんなのっちは大嫌いじゃって。
じゃないと何度でも手を伸ばしたくなるんよ。止めてよ。なのに…
「…やらしい、ゆかは、嫌い…?」
唖然とした。何を言うてるん?何でそんな風に思うん?もう…



「大好きだよ、どんなゆかちゃんも」
今さらなのに、言葉にしたらそれに共鳴するみたいに胸が熱くなって…
すごい、ほんまどんだけ好きなんじゃろ。


「ゆか、のっちが思ってるよりずっと欲張りなんよ」ゆかちゃんが泣いとる。
「でも…分かって?誰でもいいわけじゃないんよ」
何を泣いとるんか全く分からん。
「のっちだから」
分からんけど…
「のっちだからこんなに欲しいんよ。だから」
分からないことだらけだけど…
「嫌いにならないで…?」 愛されてることは分かる
「嫌いになれる方法があるなら、教えて欲しいくらいだよ」
愛していることも思い知った。



「大好きだよ、どんなゆかちゃんも」
張力が壊れたタイミングは、涙と気持ちでほぼ同時だった。


「嫌いになれる方法があるなら、教えて欲しいくらいだよ」




心が透き通っていく。濁りが完全に消えていく。
文字通り、ゆかは丸裸。素直に…心も身体もそのままのゆかを見せられる。
全部をのっちに見せたい。きっとこの人は愛してくれるから。


なんか…溢れそう。
「ゆか…も…どんなのっちも大好き」
涙を拭う唇が欲しい。もう唇でも指でも、全身でゆかに溺れて欲しい。
「ねぇ………続き…して…?」
ボンって音が鳴ったみたいに一瞬で真っ赤になったのっち。
「…あっ、…えと、え?でも…」
「…なあに?」
「…や……嫌だって…さっき……言いよったが…」
え?だって、そんなのって………ねぇ…。
「ごめんね…のっち今日……調子乗って…キツくした…」
肩を竦めて指先をモジモジするのっち。何なんこの人。
全然別人じゃん、さっきまでと。なにこの変わり様?
のっちの手を取って指を絡ませ口付ける。まだスイッチは入らないみたい。
潤ませた瞳を精一杯上目遣いにして、躊躇い顔ののっちを見つめる。
「………抱いて…?」
のっちの目が落ちそうになった。と思ったら、のっちの身体が落っこちてきた。

つづく






最終更新:2009年12月09日 14:42