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Side-k


お風呂からあがると
今夜も、のっちはベランダで月を眺めていた。


のっちの背中越しに、少し霞がかった
もうあと少しで満たされそうなのお月様の姿が見えた。


トクン。。
鼓動がちょっぴり早まって、
キュン、と切なさを弾き出す。


「…ほんと好きだね、月眺めるの?」
そう言って、隣に並ぶ。
「んー・・だねぇ」
そう呟いた、横顔は、とてつもなくキレイで。

「なんか、このまま消えてしまいそう…」
思わず零れたコトバに、自分自身驚いた。

のっちは、しばらく黙っていたけど
「人って、案外、あっけないもんね」て。


そっか、、やっぱ、
そだよね・・?


「あたしね、、“のっち”は、月にいるんだって思ってんの」
「月に?どうして?」
「んー・・わかんないけどw」
「なにそれw」
「ゆかにとってのお月様、、だから?」
「そうなの?」
「てか、単純に、二人でよく、このベランダから眺めてたから、かな?」
「・・・そっか」




『のっち、還るなら、月がいいなぁ』
『どうして?』
『なんか、死んじゃった後も、ゆかちゃんとおれそう』
『わけわからんし』
『ゆかちゃんは、かぐや姫だから、月に帰るんでしょ?』
『なに言ってんの?w』
『その、キレイな黒い髪、大好きだよ』
『髪だけなん?w』
『その瞳も、華奢な肩も、きれーな指先も、細い腰も、、
『外見ばっかじゃん!w』
『意地っ張りなとこも、努力家なとこも、弱いとこも、強いとこも、
 イジワルなとこも、のっちに厳しくて、でも結局、甘いところも、、、なんかもう、全部好き」
『・・・ばか』
『へへっ、のっちにとって、ゆかちゃんは姫、だね』
『もういーよ』
『あ、照れてるぅw』
『うるさいっ!』
『ははっ、、、でもほんと、のっちだったら、姫が欲しいって言うものだったら
 なにがなんでも、探しだしてくるけどなぁ』
『なんの話?』
『てか、月くらいなら、追いかけていくし』
『だから、なんの話?』
『ん?かぐや姫?・・・そんな話じゃなかったっけ?』
『あんま、よく知らない』
『のっちもwでも、、、姫がいないなら、不老不死の薬なんていらない。
 て、そのキモチは、ものすごくよくわかるなぁ』
『・・・』
『ゆかちゃんのいない世界で、永遠に生き続けるなんて、最悪』
『…もう、なに言うんよ』


結局、愛する人のいない世界で生きていくことになったのは、ゆかじゃん・・

でも、、、のっちだって、
ゆかのいない世界で、同じように、寂しいって思ってくれてるのかもしれない。




「どうしたの?」
のっちのコトバで、過去の記憶から、連れ戻された。

「ん?別に、、、“のっち”と過ごした最後の夜の会話、、思い出した、だけ」


のっちは、「そっか」って、困ったような笑みを浮かべた。


そして


「“のっち”がさ、お月様にいるならさ、、、たぶん
 姫を、お出迎えする準備してるんじゃない?」


あぁ、もう、、、、バカのっちめ・・・


「それにしても、早くイきすぎ、、、でしょ?」
「・・・たしかに、ね」
「遅刻の常習犯だったのに」
「・・・ほんとに、ね」
「こんなときにだけ、早くイかなくても、ね?」


のっちは、なにも言わず、指先を軽く絡めてきた。

でっかい、まん丸お月様みたいな、瞳で、ゆかを見つめる。


なに、泣きそうになってんの?まったく…


「…のっち?」
「ん?」
「明後日、ゆか、仕事休みなんよ。デートしよ?」
「デート?」
「うん」
「明後日?」
「うん」
「そうだね、、、デートしようっか」


泣いてる時間なんてないでしょ?


もう、満月はすぐ、そこ

なんだから。






最終更新:2009年12月09日 14:56