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固いスプリングのベッドの上で、今までからは考えもつかなかった態勢で今、フタツの身体がヒトツになろうと、もがいてる。ゆかはね、一歩を踏み出したんだから。次はのっちの番じゃない?そんなふうにゆかのことを見下ろしておいて、手も出さなければ、退屈な唇さえも動きやしない。
ねぇのっち?こうしたかったんじゃない?
「めっっっちゃくちゃにしていいよ?」
だってゆかはそうされたいんだもん。何も考えなくていいの。そもそものっちなら、難しくなんて考えないだろうけど。変なところで臆病な人だから。それに、変なところで強がりだから。いつもみたいにさ、ゆかがのっちにするみたいにさ、のっちがされるがままならば、ゆかもそれでいいんよ。それがいいの。
「……いや、なの?」
ちょっとだけ上目遣いで急かしてみれば、あーぁ、笑っちゃう。そんなに顔赤くして。緊張してます。って顔に書いてある。首筋、汗、かいとる。
「…いい、の?」
「いいの」
たまには下から見上げるのもいいじゃんね。のっちの短い髪が綺麗な円をつくってる。その髪に手を入れて、頭の後ろで組んでやったら、たちまちのっちが降ってきた。
「やば。なんか…どきどきする」
「うん」
「でも、なんか…」
「…なに?」
「……うれしい」
うん。ゆかもだよ。好きにしていいよ。ゆかのこと。のっちの好きに。なぁーんもとらわれなくていい。全部ぶつけて?全部受けとめるから。ねぇのっち。ずっとこうしたかったよ。ねぇのっち?ずっとこうしたかったでしょ?
「…ば、ばんざーい?」
「ふwなんよ、それw」
「もぅ、んー…脱ぐんだよー」
「ふふwのっちも。ね?」
「ん。」
ゆかをばんざいさせて、不器用に脱がせて?ぎこちない手つきで、全部とっぱらってよ。のっちの顔つきが変わる。ゆかも変わる。フタツの身体が今、ヒトツになろうと、もがいてる。




「ゆか、ちゃ、、」
吐く息が短くなって、のっちはその熱い息を、ゆかの耳に届けた。何も纏わない姿が、生まれたままの姿が、何でこの人の前ではこんなにも心地いいんだろ。ふわふわ宙に浮くような、昼下がりの微睡みのような、そんな独特な空気を、のっちは持ってる。
少しだけ震える指が、ゆかの胸に触れた。違う、触れそうで、触れない。ゆったりと、その周りを探るように円を書いては、指先はシーツへと戻っていく。
「…なに?じらしてんの?」
「ち、ちがっ、、」
本当はわかってる。緊張してる。伝わってくる。臆病な人だから、踏み込んでいいのか、単なる気紛れか、恐れている。疑っている。悩んでいる。…悩めばいいんだけどね、ゆかに。
「のっちになら、いいよ…」
熱い息、耳元にお返し。のっちの体温が二度ほどあがる。つられてゆかもあがる。顔つきが変わる。ゆかも変わる。のっちの指が、ゆかの胸に、触れた。今度は、ちゃんと。
「…きす」
「うん」
言えば、ちゃんと、きすをくれるこの人がすき。生温い舌が、遠慮なしに入ってきた。うねうね動く、この人のきすが、すき。なんていうの?うまく言えないけど…やっぱり違う。立場が変わると、態度も変わるもんだね。のっちの顔、なんか変。なんか、
「のっち、かお、ちがう」
「へ?」
慌てる顔も、八の字にした眉も、ゆかの胸の上にある手のひらも、まるでのっちじゃないみたい。いつもと違う。
「でも…ゆかちゃんも違うよ?」
「は?」
「なんか、今日…かわいい。すごく」
やっぱり。ゆかも違うんだ。なんか、悔しいな。女の部分、全部知られた感じで。いや、でも、なんか嬉しいかも。のっちになら…知ってもらいたい、かも、
「てか、それ失礼だから」
「あ…ごめん、」
「うそ。いいよ、」
「うん」
「ね、早く、、」
全部見せるから、全部見ててほしいな。



震えていた指先が、ゆかをジリジリ焦らしていた指先が、確信を持ってゆかの胸に触れる。その頂きを親指のはらで撫でると、いやだな、なにこれ。むず痒くって、
「…もっと、」
なんて、おねだりなんかしちゃったりして。腰が浮くような、皮膚が騒ぎだすような、太ももの内側が痺れるような、そんな感覚がゆかを覆って。のっちはといえば、そんなゆかの言葉を受けてまた、顔を赤く染めてる。可愛いやつ。本当、可愛い。誰にも見せない顔、ゆかだけのもの。
「ここ……たべたい。」
そんなふうに思ってたのに、顔なんか真っ赤なくせに、のっち変。やっぱりいつもと違う。だけど…すごく好きだよ、今日ののっち。馬鹿みたいに焦っちゃって、馬鹿みたいに必死な目でゆかを見るのっちが、好き。
「たべたいのー?w」
「…うん。たべたいの」
頭をコクコクと縦に振って、そのままゆかの胸に噛み付いた。
「んあっ、や、」
なにこれ。こんな声、ゆかにも出せるんだ。てか、ゆかは、
「痛いの…やだよ?」
自分で言ってて笑っちゃう。のっちも眉を八の字にして、呆れたように笑った。
「えー…だってたべたいんだもん」
…駄々こねてる。のっちが。…可愛い。
「だって痛いのやじゃーん」
よく言うよ。痛みを伴ってこその、、なんて。いつかゆか自身が言ったくせに。
「ん。わかった」
でも、のっちは優しいから。噛み付いたのは一瞬で、すぐにその歯形に沿うように舌を這わした。
「は、ん、、ん、」
ぬるぬると柔らかい舌が水気を帯びて、ゆかの胸を濡らす。途端に、まだ音量の小さい声が漏れる。右手で胸の頂きを弄って、ゆかの右胸に顔を埋めて。
「ゆかひゃん、きもちい?」
なんて、舌を動かしたまま聞くから、ゆかはまた皮膚がビリビリして、太ももの内側がさっきより的確な位置で疼きだした。
「ん、きもちい、から…」
「…から?」
「んあっ、、もっ、と、」
うん。って小さく頷いて、のっちの右手はふわふわとゆかの身体中を飛び回る。急に耳を触ったかと思えば、急におへそを見つけたりして。予測不可能なその動きに、ゆかはますます疼き出す。早くシテって。




ここ、いい?なんて、声にすら出さないけど、顔見ればわかるよ。そう聞いてるんでしょ?
いいよ?って笑いかけたら、嬉しそうに笑った。
「っつ、あぁあ…」
のっち?なんで?あんた、どこで学んできたんよ?
さっきまで震えていたはずの指先は湿っていて、熱くって、容易に自分のソコがどうなのかが、わかる。
「めっちゃ濡れて「言わんでいい」
馬鹿なのか?そんなん言わなくていいの、
「だって言いたいんだもん」
「ぁっ、んー、やぁ、、」
「ここ?」
「ふぁ、、んやっ、」
「きもちい?」
「んー、、ばっ、か…」
「ゆかちゃんかわいいだいすき」
ぬるぬるしてる。自分でもわかるよ。馬鹿、わざと音立てんでよ。…いじわりゅ。あ、ゆか、いつもこんな、か?
「ねぇゆかちゃん?」
「ん、そこ…」
「ん、ここ?」
「うん、そう、」
ん。小さく頷いて、のっちは指先を細かく早く動かす。ちょっとちょっとちょっと、早いよ、ちょっと早すぎ!
「ちょ、のっち、、イっちゃ…」
「えっ?まじ?だめだめ、」
「んぁっ、ちょ…なん、でよ、、」
「だっていれたいんだもん」
「……ば、か、、はや、く、」




「ねぇ、さっき何言いかけたの?」
「ん?」
「最後…入ってくる、まえ、」
「え?あ、あぁ、」
「…なんよ?」
へへ。ってはにかみ笑い。ベッドの上でフタツの身体がぴたりとくっついて、まるでヒトツみたい。のっちの身体はあったかくて、やっぱり微睡みのような、宙に浮くような、そんな温度をしてる。
「んーと、ね?」
「うん?」
「ゆかちゃんすっごいかわいかったの」
「ん?」
「ゆかちゃんも、」
「なん?」
「いつものっちのことかわいいって思ってくれるの?」


ばーか。


「思ってるよ」


可愛すぎでしょ、それ。なにこいつ。確信犯?それとも偶然?狙ってできるタイプ…じゃ、ないな。
…だめだ。こんな可愛いのっちは、やっぱりゆかが可愛がってあげたいな。
「…えっちなこと、しよっか?」
「え?」
固いスプリングのベッドの上。押し倒されたのっちの姿がまたゆかをゾクゾクさせる。
…やっぱり。こうじゃないと。ゆかのスイッチはのっちの中にだけ、あるみたいだ。




END





最終更新:2009年12月09日 15:15