Side A
Perfume初のライブツアーが始まった
その間もあたしとのっちの関係は続いている
のっちとゆかちゃんはというと
付き合い始めた時みたいに変わらない
ただ、ゆかちゃんを優しく追う瞳が、時々儚くなる
それに気付かない振りをすることも、数少ないあたしに出来ること
今回のツアーで行っているアトマイザー劇場
のっちとゆかちゃんが演じる男役、のちおと樫尾先生
二人の間で揺れるあたし、あ〜ちゃん
実際好きな人相手に、実のところやり難い
だって、本心とそうじゃないところが入り交じってて、切り替えし辛い
のっちはどんな気持ちで演じてるんだろう…
迎えた最終日
劇も今日でラスト
あたしはこの日、大勢のファンの目の前で大好きな人へ告白をした
のちお君に、ではあったけど…
でも、あたしにとっては、本気の告白そのものだった
のっちに、初めて「好きです」って言った
本来ののっちは、その言葉を望んでいないと思うから、ずっと胸の内に留めていたんだ
だからちょっとだけ、ちゃんと言えた事が嬉しかった
だけど、それと同時に、今度二人で会うとき、どんな顔したら良いのか分からなくて悩み中…
そして数日後
ツアーが終わってから、初めてのっちの部屋を訪れた
「いらっしゃ〜い」
「お邪魔しまぁす」
エッチまでしてるのに、今さら告白が気恥ずかしいなんて…感覚狂っちゃったかな?
「そんなとこに立っとらんで、コッチおいでよあ〜ちゃん」
「ぁ、うん」
少しぼーっとしてたら、ベットに座ってるのっちに呼ばれて側まで行くと、手首を引っ張られてのっちの膝の上に座ってしまった
そのまま抱きついてしゃべってくるのっち
自然と、その頭を大事に抱えこむ
「ライブ終わっちゃったねー」
「そうじゃね…」
「めっちゃ楽しかった」
「うんw楽しかったね」
やっぱ、お客さんがすぐそこに、生で感じれるのはライブの楽しさ
「たくさんの人の笑顔に会えて、嬉しかった」
みんながあたし達を見て笑顔になって、それを見てあたし達も笑顔になって、その周りがさらに笑顔になっていく…リサイクルマークはエコマーク?w
そんな笑顔の連鎖
それが一番嬉しいよね
「それから、告白も…嬉しかった」
「ぇ?」
「初めてじゃね。言ってくれたん」
顔を離して、ニィって笑うのっち
「ねぇ、キスして?」
のっちが、あたしから欲しがるなんて初めてだった
「…ぅん」
小さく返事して、のっちへとキスをした
すぐに離れると、ありがとって言って、またニィって笑う
なんだか、いつもと違う気がする
なんか変だ
「あ〜ちゃん…」
「ん?」
「あ〜ちゃんは、ゆかちゃん好き?」
…やっぱり
「そりゃ好きじゃなきゃ、8年以上も一緒におらんじゃろ?」
「うんwそうじゃね」
のっちは何が聞きたいの?
「あたしも、ゆかちゃん好き」
「そんなん…知っとる」
あたしとは違う好きなの、知ってる
「じゃあさ、あ〜ちゃん好きなのは?」
「ぇ…?」
のっち、やっぱり変だよ
そんなこと、眉毛垂らしながら言わないでよ
「…何で、そんなこと、聞くん?」、
「え?あ〜ちゃん知らんじゃろうなーと思って」
知らないよ…
だって…、だってのっちはゆかちゃんを好きなんだよ?
…というか、そういう意味なの?
のっち…解んないよ
ギシ…
のっちの膝の上に居たあたしは、いつの間にかベットに仰向けになっていた
それを、覆いかぶさるのっちが見下ろしてる
「あ〜ちゃん…好きだよ」
いつものように重なる唇
だけど、いつもと何かが違う
なにか、よく解らない…
のっちの言葉もどこまでが本気なのか、まるで風のように、あたしには掴めない
ただ本気じゃなくても、好きって言って貰えたことが
それだけで、あたしには価値があるんだよ
だって…
「あたしも好き」
だから…
「うん、ありがとう…」
この日ののっちは、今までで一番優しかった
そんなに優しくされたら、信じちゃうよ?さっきの言葉
良いの?
『好き』なんて…
今の関係になってから、のっちが言ってくれたのだって初めてなんだよ?
ねぇ、ゆかちゃん
これって、ゆかちゃんが言ったとおりになったってことなの?
『のっちはあ〜ちゃんを好きになるけぇ』
もしそうなら
あたしは嬉しすぎて泣いちゃうよ
でも何でかな?
ゆかちゃんのコトが、何度も頭に浮かんできたの
何が、気になるんだろ?
—つづく—
最終更新:2009年12月24日 17:48