Side N
夜になって、なんだかジッとしてられなくて、冷えた外の空気の中、あたしは歩き出した
無意識に向かうのは、キミのいる空間
キミの『好き』がどっちなのか、気になって気になって…
やっぱりあたしは、キミとの恋人の特権が欲しいのか?
いつもはキミが掛けてくれるけど
待ち切れなくて、自分から掛けちゃった
ホント、どうしたいんだ?あたし
もしかしたら、あたしと違う『好き』なのかもしれない
それでも、あたしも昨日ちゃんと伝え切れてないから
ちゃんと伝えたい
たとえ違っていたとしても、それでキミに嫌われるような、そんな関係じゃない
キミのこと信じてるから
だから、キミの『好き』も聞かせて?
二人を繋ぐ電波は、想いも繋いでくれた
信じられないくらいだけど、信じてるから、キミのコト
『のっちの『好き』は?どっちだったん?』
『同じじゃなくて、ちゃんと言ってくれんの?』
ココまで来ちゃったからさ
もっと、近くで言いたいよ
「じゃ、じゃぁ…。その…今からそっち行っても良い?」
『え?』
「てか、もう下におるんけど…」
電波を超えて、キミのもとへ
Side A
電話が繋がったまま、携帯越しにあなたの歩く音
あたしは、玄関の前であなたを待つ
『…着いちゃった』
その声と同時に、玄関を開ける
えへへw
目の前と、携帯から聞こえる声
片足だけ履いた靴を、一歩下がってまた元通りに戻して
その空いたスペースにあなたが入ってくる
お互いまだ、携帯を耳に当てたままで
そのまま話し出すあなた
『あ〜ちゃんと…恋人になりたいくらい…好きです』
「うん…なろ?」
二人同時に携帯を外して、あたしは嬉しさのあまりあなたに飛びついて
そんなあたしを、慌てて受け止めてくれるあなた
あたしの勢いに負けて、軽く玄関のドアに背中をぶつけてイテテwなんて言いながら
「ホントに良いん?」
「何が?」
「あたしなんかが、あ〜ちゃんとの恋人の特権貰っちゃっても…」
「ん?特権て?」
「だからその、今みたいに抱き合ったり、この間みたいに一緒のベットで寝たりとかぁ」
改めて言われると、けっこう恥ずかしいことしてたんだwあたし
「あとぉ…」
「…あと?」
「あ〜ちゃんと、、キス、できちゃうとか…?」
自分で言って赤くなっているあなた…
なんだか可愛いw
でも、きっとあたしも真っ赤でしょ?
「なんちゃってぇw」
笑ってごまかすあなたが離れようとするけど
離れないように、もう一度ぐっと抱きついて
「全部、のっちが貰ってよ」
「へ?」
「あたしとの特権…。その代わり、のっちとの恋人の特権、あたしが貰うけぇw」
動きが止まったあなたの顔を見て言うと、戸惑ってるみたいな表情で、そっとあたしの背中に腕を回してくる
Side N
キミがくれた特権
誰かに取られないように、大事にしていくよ
だから、あなたが望むなら…
「あたしのも、あ〜ちゃんが全部貰って?あ〜ちゃん以外になんて、あげたくないけぇ」
「ぅん、じゃぁ、、さっそく貰っちゃっても良い?」
「ん?」
言葉の意味がよく分からなくて、キミの顔を見たら
近づいたキミの顔が、あたしの唇にチュッと音を残して離れていって
驚いてるあたしの目の前で、恥ずかしそうに照れているキミ
もう…そんなのズルイよ…
かと思えば、ふあ〜って欠伸するキミ
手元の携帯を見ると、確かにキミはもう寝てる時間だね
「にぇむぃ…」
目がトロンとして…あたしにどうしろと?
「のっち、泊まってくじゃろ?」
上目遣いで、軽くきゅっとあたしの手を握ってくる
この状況で、誰が断れるというのか…
「うん」
「良かったwじゃ、また一緒に寝よ?」
もうないと思っていた、このシチュエーション
夢みたいだ…
少しぼーっとしていると
ずっと居た玄関から、キミにグイグイ腕を引っ張られて、キミのベットまでたどり着く
キミがその中にモソモソと潜り込んで、顔を出す
「ほら、のっちもはよぅ来んしゃぃ」
ポンポンと自分の隣を叩くキミに言われるまま、その場所へと潜り込んでいく
キミの顔を見たら、なぜかこの間よりドキドキしてる自分
このままじゃ心臓がもちそうにないから、キミの気配を後ろへと移した
なのに
「今日は、のっちが落ちんように、あたしがギュッてしてあげるぅ」
一昨日あたしがしたみたいに、今日は反対に後ろから抱え込まれる
やっぱり、向き合ってなくて良かった
「あ、ありがと」
「のっち?」
「ぁい?」
「だぁい好き…」
「んぅ…あたしも、大好き」
「…コレ、おやすみみたいに、毎日言おうね?」
「わ、解ったw」
頭の後ろから響いてくる優しい声に、目を閉じながら答えて
少し照れくさい約束もして
「へへwじゃ、おやすみぃ」
「ぅんwおやすみ」
いつもの『おやすみ』よりもっと、ほんわか優しい雰囲気
あぁ…、幸せなんだな〜
『大好き』と『おやすみ』
どんな時でも、言おうね
しばらくして聞こえてきた可愛い寝息が、あたしのドキドキを和らげる
ふとお腹より少し上で回されてるキミの手に、自分の手を重ねて、起こさないようにゆっくり指で撫でる
明日の朝ご飯何かなぁ・・・なんて考えながらもう一度
おやすみ…
Side A
二人で言う
『大好き』
毎日幸せだから
明日も、明後日も、その次も二人で…
でも、やっぱり最後にはね?
おやすみ…
<二人のおやすみ>fin
最終更新:2009年12月24日 18:16