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「みんな朝だよー」
うんんん…体が重い大きい声で頭がジンジンしゅる…
ここは、こたつの中か…あったかい…寝よ…
「んあー」
「よく寝たぁ」
「おはー」

みんなのガラガラな声が聞こえてはいるけど眠気が脳を支配して自然と体がこたつの中へと中へと埋まっていく
「ご飯作ってあるけぇみんなで食べよ」
「手料理ー!」
「お母さ〜ん」
あ〜ちゃんのご飯かぁ〜いいなぁ〜やっぱあ〜ちゃんだなぁあ〜
薄れ行く意識の中なかなか寝付けない頭でそんなことを思う。
「おいし〜」
「鍋パの余った肉で焼き肉しよう!」
「鍋用でしょ」
「いーのいーの!」
「肉食系でいこうぜ!」
朝から濃いなぁ〜てかみんな元気だなぁ〜ああ〜眠し…

んぁあ

むにゃむにゃ……



………………

「げっ、もうこんな時間!」
ハッ今何時だっ
焦りの声に急に我に帰って覚醒する頭
「あ〜ちゃんありがと、そろそろ行かないと」
「は〜い。あ、おばさんリビングで潰れてたけぇ静かにね?」
「そういえばここのっちん家よね」
「あれ?のっちは?」
「どぁー今何時だぁー!?」
丸めていた背中を伸ばしてこたつからひょっこり顔を出す
「わ、のっち」
「ちょ、そんなとこおったん!」
「今は8時過ぎだよ」



「ばいばーい」
「お疲れー」
とにかくぎゃあぎゃあ騒いでいた今日も暇な子達も片付けが終わって11時過ぎにもなるとぞろぞろ帰り始める。
残ったのはあ〜ちゃんにゆかちゃん。
「楽しかったね」
うんうん、大学も楽しいけど一番馬鹿になれるのはやっぱりあのメンバーだなー友達っていいなー
「ね、みんな変わってないわー」
「中身は変わっとらんけど見た目は一段可愛くなったよね」



「確かに!なんでだろー」
「恋すると人は変わるってことじゃろ」
「あー…彼氏持ちも増えたもんねぇ」
とはいえのっちはまだ恋をしたことがない、だからそこらへんよくわからないや。
「彼氏と今日明日デートかぁ…いいねぇ〜青春じゃねぇ〜」
「そうだねーて何歳よ、あ〜ちゃん!」
友達と一緒にいるのだってこんなに楽しいし、まぁ一回くらい盲目的な恋に落ちてみたいとは思うけどさ

「てか、この三人になるのも久しぶりじゃねぇ」
「ほうじゃねぇ」
「あ」
思い出した!
「どしたん?」
「あのさ!これから三人で二次会せん?」
そうそう、三人になるのも久しぶりだしせっかくだもんね
「いいかも」
昨日は機嫌を損ねたのに今日のあ〜ちゃんは意外に乗り気だ。
ゆかちゃんもきっと乗り気なはず…
「ごめん、のっち」
「んぇ?」
向き直ると残念そうに顔をしかめたゆかちゃん。
「今日は家族で過ごそうって言われてて…」
「あー…」
「ほんとごめん!しかもお昼には帰って来なさいって言われてるからそろそろ帰らんといけんのよ」
「まじ!?うわ、ごめんごめん!」
「んーん、まだ間に合うけぇ大丈夫よ」
そういってあの柔らかい笑みを浮かべるけれど目はどこか寂しそうに見えてなんだかちょっぴりのっちまで寂しくなってしまう。

「のっち、うちに送ってあげんさいや」
「え?」
「時間見てみて、ゆかちゃん歩いたらお昼にはギリギリじゃ!」
「ほんとだ!」
「ゆかちゃん家は時間に厳しいけぇ!」
「そうだった!」
「ゆかちゃんのピンチじゃ!」
「おお!」
「じゃけぇのっちはゆかちゃん乗せて送ってあげんさい!」
「そんなん悪いけぇ、ゆかは大丈」
「送るよ!ゆかちゃん!」
「え、わぁ」



気づいたらゆかちゃんの手を握って自転車の鍵を探してた

「はい乗って乗って!」
「う、うん」
「はい腰をぎゅ〜!!」
「あ、はい」
「のっち安全運転よ」
「わーってるよ!」
「いってらっしゃい」
「あーい!」



戸惑い気味なゆかちゃんを半ば無理矢理後ろに乗せて走り出したはいいもののよく考えたらなんだか恥ずかしくなってきた。

まず寂しそうなゆかちゃんを見て気持ちが走りすぎた
だいたい人の顔色を伺いがちなゆかちゃんだ。こんなんしたら変に気にしたりして逆に迷惑なんじゃあ…。
走り出してから続く沈黙が痛いよ
「あのさ、ゆかちゃん」
「ん?」
「これはのっちがしたいからしたことであってつまりは迷惑でもなんでもないんだよ!?」
やばい噛まなかったのはいいとしてなにこの早口!カッコ悪!カッコ悪いよ!
「わかってる」
「へぁ」
一言そういって腰に回されたゆかちゃんの腕の力が強くなった
何故だかそれだけなのに心臓が飛び出すんじゃってくらい跳ねた、更にゆかちゃんが顔をのっちの肩に埋めちゃうから何故だか変な声が出た。



結局その後は心臓がぎゅうぎゅうするやらなんやら、喋ろうにもそんな空気じゃないってかゆかちゃんの顔が近いってか
とにかく変なふわふわ?ぐるぐる?そんな気持ちで溢れそうでいや溢れてて
なんにも出来なくて、ゆかちゃん家までの道を間違えないようにするだけでいっぱいいっぱいだった。

「着いたよぉお」
へろへろだあ〜
「うん…」
やばいゆかちゃんが離れてくれない、いやべちゅにいいんらよ?でもなんか気持ちがそわそわすんだって!
てかゆかちゃんがそのまんまだと降りられん!つまりずっとこのまんま!寒いけどなんだか暑いぞ!



これヤバい、今止まってるからゆかちゃんのいい香りめっちゃしてくる、ヤバいやばいヤヴァい助けてあぁ〜ちゃ〜ぁん!

とか思っていたらすっと背中に冷たい風が吹いた。
「ごめん、離れるね」
「え、ゆかちゃ…」
そういって離れたゆかちゃんはまた寂しい顔をしている。
「のっち、ありがとう、バイバイ」
「あ…うん、バイバイ」
とっさになんの機転も利かなくて自転車のハンドルをぎゅって握るしか出来ない自分が情けない
心臓もぎゅってなって

門を開けて扉を開けてスローモーションで動くゆかちゃんの姿を見送って帰ろうとしたんだ。
「ゆかちゃん!」
したんだけど気づいたら叫んでた!
「ん?」
「あ、いゃーえと…………明日」
「明日?」
「明日…」
やばい!言ったはいいけどなんもないよ!明日が、明日がなんなのさ!
『彼氏と今日明日デートかぁ…いいねぇ〜青春じゃねぇ〜』
アシタデート
『あのさ!これから三人で二次会せん?』
ニジカイ
『ごめん、のっち』
コレナイ
『今日は家族で過ごそうって言われてて…』
キョウハムリ
「明日デートしませんか!」
言ったぁあああああ!
はああああああああああ!

ヤバい自分でもわけがわからん、とにかくあれだ、いろいろごちゃごちゃんなったんだ!
だいたいデートって何さ!今日が無理なら明日はもっと無理っしょ
いやそゆことじゃないってバカバカのっちあほのっち!

ゆかちゃん!

ゆかちゃん、これは違うんだって!

ゆかち…真っ赤になっとる!

「いいよ」
おおおおおお?
ええええええええええええ!!!
樫野さーーーん!?!

to be continued






最終更新:2010年01月19日 17:40