Side N
今年も、今日で最後かぁ〜
この時期って、大本家で働いてくれてる人たちも、ほとんど実家に帰っちゃうんだよね〜
あたしはというと、毎年両親とあやちゃんの四人で新年を迎えてたんじゃけど
今年は、あやちゃん実家に帰っちゃうだろうから、三人かぁとちょっと寂しい気持ちな訳で…

ん?そういえば、あやちゃん実家に帰るのに挨拶に来たっけ?

なんて考えとったら、ドアをノックする音がして、返事をしたら

「失礼致します」

そう言って入ってきたのはあやちゃん
って、えええw!
あたしは思わず時計を確認して

「あやちゃん、なんでおるん?もう夜の11時じゃよ?」
「?はい、ですから彩乃様を呼びに来たんですよ?」

え?え?どういうこと?
いや、あやちゃん居てくれるの、そりゃ嬉しいんだけどw

「あやちゃん、実家に帰らんかったん?」
「はい…?」
あやちゃんは、あたしが何でこんなことを聞くのか分からんみたいで、首を傾げてる

「てっきり、お正月は家族と過ごすんだと思っとったけぇ…」
「はい!もちろんですw」
「え?でも、じゃったら何で今家におるん?」
「はい、ですから新年は毎年ココで迎えていますし…」
「まぁ、確かに…」
「なので、実家には明日帰ろうと思って…」

なんだか、急にあやちゃんが悲しそうな顔になってきたんだけど…
どうした?



「あ、あやちゃん?」
「ぁ、の…私にとっての初めての家族は、旦那様と奥様と彩乃様だと思ってるのですが…ご迷惑、、でしたか?」
「そ、そんな訳ないじゃろ?あたしだって家族みたいだって思っとるよ!」

あやちゃんの目から、今にも零れそうな涙にわたわたしながら答える

「本当ですかぁ?」
うるうるな瞳にキュンとなって、あやちゃんを抱き寄せる
「てか…もっと大切だと思っとるけぇ」

「来年も、再来年も、ずっとずっと、あたしと一緒にいて?」
「…はぃw」

ぎゅって抱きついてから、エヘwって笑ったかと思ったら
ちゅってキスされて

「ずっとずーー…っと!…約束ですw」

くしゃって笑うあやちゃん
相変わらず反則です…

体がうずうずする…やばぃ…
時間…大丈夫かな…?
ぃやぃやwさすがに今はマズイじゃろ…
ぅwでも…

「あ」
あたしが一人悶々と考えてると、するっとあたしの腕から抜け出すあやちゃん
「彩乃様!旦那様と奥様が待っておられますよ?彩乃様?」
離れた温もりがちょっと寂しくて、あやちゃんを見つめとったら
ひょいっとあたしの手をとって
「はい、行きましょ?年が明けちゃいますよ?」

「うん、そうだね」
握ってくれたあやちゃんの手を握り返すと、またくしゃって笑う
うん、温かいw
さっきの邪な気持ちもどっかにいったわw
と思ったのに…

部屋を出て歩く廊下で、手を繋いで両親が待つ部屋に向かう途中

「あ、あの、また後で彩乃様のお部屋に行っても宜しいですか?」
「うん、別に良いけど?」
「良かったですw明日からしばらく会えなくなりますから、それまでお側に居たいなと思っていましたのでw」


あっという間に、邪な気持ちが…
あやちゃんは純粋に、一緒に居たいって言ってくれとるのになぁ…
できるだけ我慢しよ…

「一緒のお布団、嬉しいですw」



……やっぱ無理だよ!!
この天然あやちゃんに勝てるはずないじゃろぉww


〜毎年〜fin






最終更新:2010年01月19日 18:07