Side A
ゆかちゃんに言われたように、絞ったタオルで額や首に滲む汗を優しく拭いてくれるのっち
自分でするって言ったら、だーめ、って言われて
「あたしがしとかんと、ゆかちゃんに怒られる」
なんて冗談ぽく言って、あぁ、ホントに大丈夫なんだなって思った
最後にタオルをキレイに畳みなおして、おでこに乗せてくれた
「あの、、さ」
「ん?」
「ごめんね?」
のっちの顔が、さっきのゆかちゃんの表情と被る
「…のっちも謝るん?」
「そりゃ、少なからず、あ〜ちゃんが倒れた原因はあたしにもあるじゃろ?」
「ん〜…ゆかちゃんにも言ったんけど…あたしが、ちゃんと、出来んかっただけなんよ」
「それに、さ?自分は辛い時に、あ〜ちゃんから助けて貰ったのにさ…。あ〜ちゃんのこと、凄い心配なのに、なんも出来んで、ごめん」
「えぇんよぉ、あたしがそうしたかったんもん。のっちが気にする事なんて、な〜んもないけぇ」
心配してくれてたんだね?
ありがとう…
それが分かっただけで、嬉しいよ
のっちが、助けてくれるわけにはいかないもんね?
なんとも言えない、情けない顔でいつものハの字眉が、妙に愛らしいと思った
「あ〜ちゃんも、もう大丈夫じゃけぇ」
「ホンマに?」
「100%とは、言えんけど…」
「うん…」
「のっち?」
「なに?」
のっちへの想い
ちゃんと、整理するからさ
「のっちと抱きしめ合った日々は、間違いじゃないよね?」
少しだけ手伝ってくれるかな?
「うん、もちろん。あ〜ちゃんの想いには適わないけどさ…あたしも、ちゃんとあ〜ちゃんのこと想ったよ?」
「ぅん…ありがと…」
その言葉が聞けて、すごく嬉しい
それと最後に、ちゃんと伝えたい事…
「のっちと愛し合えたこと…あたしの誇りにするけぇ」
「あ〜ちゃん…w」
渾身のドヤ顔で伝えた気持ちは、しっかりのっちへと届いた
顔顔w言いながらいつものように笑ってくれる
好きにならなければ良かった…
そう思ったこともあったけど、今は違う
好きになって良かった、心からそう思う
「ちょっと、、寝る、ね?」
「ん、今は休むんがあ〜ちゃんの仕事じゃけぇ。しっかり休むと良いよ」
頭の痛みもだいぶ引いて、感じていた緊張も今はなくて、そしたら、なんだか眠い
「あの、手…握ってくれる?」
「え?」
「その方が、安心するけぇ」
「あー、なるほどwんじゃ、はぃ」
サッと手を差し出してくれた手に、自分の手を置くと、すぐに握り締めてくれて、嬉しかった
「起きるまで、待っとるけぇ。起きたら、また三人でリハ戻ろ?」
「ぅん、、三人で、ね?」
薄れる意識の中で見えたのは
変わらずに、あたしを温かく見守る、その眼差しだった
いつも後ろで、ドンと構えてくれてるのっち
どんなに無茶をしても、今日みたいに、なにかあれば必ず助けてくれて
そんなのっちが大好きだったよ
せめて、この関係はこれからも、変わらずにいられるよね?
あたしの大好きなのっちのままで…
—つづく—
最終更新:2010年01月19日 18:12