side N
誰にも渡したくないからと、もがいて傷つけてしまって、
傷つけたくないと、必死に考えて出た結論は、君から離れることで…
私はどうしたら良い?
強くなるには、どうしたら良い?
『—…おかけになった電話は只今、電源が入っていないため…—』
その日、ゆかちゃんの電話が繋がることはなかった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「おはよう」
「おはよう、のっち」
朝早く、ゆかちゃんはのっちの家に来た。
「寝てた?」
「日曜日だからね、、、」
嘘、本当は繋がらない電話で一睡も出来なかった。
「あがっても良い?」
「ん…良いよ」
「わぁーいw」
朝からご機嫌なゆかちゃん。
私なんか最悪の気分なのに、、、。
ボブッとソファーに座ったゆかちゃんは楽しそうに体を揺らす。
「何しに来たの?」
「来たらダメだった?」
そんな上目遣いで聞かれて、ダメだなんて言えないでしょ。
「ダメじゃない」
力無く首を振って、その場にぺたんと座り込んだ。
「のっちはここ」
ゆかちゃんは自分の隣を指差して、おいでと手招きする。
「はい」
やけに笑顔のゆかちゃんを不思議に思いながらも、隣に腰掛ける。と、おもむろに肩に頭を乗せてきた。
「ゆかちゃん!?」
「なに?」
「…どーしたの?」
「何が?」
「いや、、、なんか変だよ…」
「ん?」
「いつもと、違う…って言うか…」
「今日だけ…」
いきなり、ゆかちゃんの声のトーンが落ちて、顔からは笑顔が消えた。
「ゆかちゃん…」
「ねぇ…のっち、」
————…
『もうね?甘えてばっかじゃダメだと思うの』
誰、が…?
のっち?
『来年はもう受験生だし…』
え?
何?これ、、、
『少し…距離、、、おこうか』
待って!?
待ってよ!
のっち、頭…追いつかないよ、、、
『ごめんね、のっち。でも…二人の為なんよ』
急だよ!
急過ぎて、頭痛くなってきたよ!
耳鳴りもするし…
痛い…
待って、、、
行かないで…
のっちは、、、
のっちはもう、独りじゃ何も出来ないんよ!!
『干渉し合うのは辞めよ』
ゆかちゃん!!
———…
付き合って最初のゆかちゃんの誕生日がもう直ぐだったのに。
デートの場所もプレゼントも考えてたのに…。
クリスマスはイルミネーション見に行こうねって、
初詣も一緒に行こうねって、
言ってたじゃん…。
『干渉しあうの辞めよ』
干渉?
してないよ…
信じてたんだよ…
信じてたんだ…
だから、男の子と二人で映画行くの黙ってみてたんでしょ!!
黙って…
あー…もう分からん
分からんよ…
誰か教えて、助けて、
「…あ〜ちゃんっ」
最終更新:2010年01月19日 18:24