はっ?わけわかんない。
うちに帰れ、なんて。
帰れるはずもない、うちに。
それより、今さら、離れられるの?
ほんと、わけわかんない。
…うそ。
ほんとは、うすうす気付いていたよ。
あなたの変化。
バランスを崩し始めていたこと。
どちら側からだった?
あなた?あたし?
きっとたぶん
ほんとは、ゆかなんかよりずっとずっと繊細な
あなた側から。
脆かったのは、のっち、あなただった。
でもね、今さらだよ?
ほんと今さら。
ゆかだって、強くなんかない。
無意識だった。
ゆかの指が、のっちの首に吸い込まれていった。
のっちの表情が歪む。
世界が綻ぶ。
なにかを求めて、救いを求めて?
唇が漂う。
大きな瞳が、少しずつ閉じられてゆく。
ゆかが消える。
のっちの世界から、ゆかが消える。
終わり?
終わっちゃう?
ヤだよ。
想いが溢れる、涙が溢れる。
こんなに、ゆかの世界、のっちだけなのに。
まだ、わかんないの?
だったら、いっそう
世界、を
ゆか、を
終わらせてくれればいい。
のっちの指を、導く。
酸素はどんどん薄くなってゆくのに
不思議と苦しくなかった。
だってまだ、のっちがそこにいる。
瞳を閉じる。
ほら、のっちだけが、そこにいる。
その瞬間、のっちの腕から力が抜けた。
のっちに全てを預けていた、ゆかはそのまま
のっちに堕ちていった。
強く強く抱きしめられる。
のっちから抱きしめてくれるのは、いつ以来?
ふっと、見上げると、、、、
え、、泣いてる?
のっちが、涙を流していた。
のっちの涙、、、、初めて、みた。
、、、、っぱ、、、む、、ぃ・・・」
「え?」
「やっぱ、、、む、りだよ・・・」
のっち、、、
「離れないで」
そう呟いて、涙を流して、ぎゅっと抱きしめてくれた。
離れないで?
離れていこうとしたの、のっちじゃん・・・
離れないで?
ゆか、ずっとずっと、そばにいるじゃん・・・
離れないで?
そんなの、わかってるよ。
そっと、その腕から抜け出し
こつんと、額と額をひっつけて
のっちのおっきな瞳を覗き込む。
「ゆか、ずっとずっと、そばにいるよ?
過去のことがひっかかる?ゆか、冷めやすいから。
でも、のっちはトクベツだよ。
まだ信じられないの?」
のっちの瞳には、ゆかだけ。
きっと
ゆかの瞳にも、のっちだけ。
「だったら、証明してあげる」
ぎゅっと抱き寄せる。
「だから、ずっと、ゆかのそばにいなよ」
「・・・うん」
バカだね。
離れられないくせに、離れようとするからじゃん。
泣いちゃってさ。
可愛いったらありゃしない。
愛しくて仕方ない。
バカだね。
今ごろ気付いたの?
ゆかはとっくに気づいていたよ。
離れられるわけないじゃん。
ゆかにとって、のっちが
のっちにとって、ゆかが
在るべき、世界
なのだから。
最終更新:2010年01月19日 18:27