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あたしが目を覚ますと、のっちと一緒にあたしの手を握ってくれたゆかちゃん

「んん…どんくらい寝とった?」
「30分くらい」
「そんなに…」
「そんなにじゃないよぅ。あ〜ちゃんには足りんくらいじゃ」
「ぃやぁ…そうじゃなくて」
「なによ?」

「ずっと握っててくれたんじゃろ?」

どれくらいで起きるのかも分からないのに、二人してずっと…

「あ〜ちゃん、安心する言うたけぇ」
「私も、のっちからそう聞いたけぇ」

「ありがとぉ…」

仰向けだった体を二人の方へむけて
左手を、自分の右手に重なる二人の手に添えて、胸に抱きしめるようにしてもう一度…

「ホンマに、ありがとぉ…」

そう言うと

「こんなんだったら、何時でも言うてくれたらするよ?」
「そうよー、てかこんなんしか出来んけどw」
「ん〜ん、これが嬉しいんよ」

二人とも空いてる方の手で
のっちはあたしの頭を
ゆかちゃんはさっき折り曲げた膝をぽんぽん、と撫でてくれた



なんか…

「今、思ったんけど、なんか二人とも似てるね?」
「「ん?」」
「ふふw同じコトしとる」

お互いに顔を見合わせて、あたしに置かれている相手の手を見つけたみたいで
あ、ってお互い指差しながら笑い出した

「ホンマじゃw」
「確かにw」
「ね?」

「そういえば、似とるんだわ。うちら」
「だね。似てたね?」

ほんの一瞬見詰め合って、クスッと笑った二人
そんな二人の関係を見て、あたしも嬉しくなった

「よっしゃ!ほいじゃ、行きますか?」

片手を突いて起き上がる

「あ〜ちゃん、もう平気なん?」
「うん、もう動けるけぇ。皆に迷惑かけた分、挽回せにゃぁ」
「無理だけはせんでよ?」
「解っとるって」

心配してくれる二人と向き合って、もう一度両手で二人の手を包み込む
そうすると、同じように手を重ねてくれる二人

「なんか、ライブ前みたいじゃねw?」
「私もそう思ったw」
「折角だからやっとく?」
「えー、これライブ思い出して変な緊張するけぇ、嫌じゃ」
「私もー」
「えwwのっちの提案ボツっすか?」

「しょうがないじゃろ?武道館までとっとくのー」
「うwへぃ…」

のっちお得意の眉で、ちょっと拗ね気味

「はぃはぃwしょげとらんと、行くよ?そうしとる間にも時間は過ぎとるんけぇ。もったいないじゃろ?」

立ち上がったゆかちゃんが、のっちの頭を撫でながらそう言った




「そうじゃのっち!うちらにモタモタしとる時間はないんよ」
「はへ?」

あたしも立ち上がって、グッと拳を握って言うと
一人ぽつんと座ったままののっち

「なぁに、ボケッとしとるんよ?ホレ行くよ?」

目をパチクリさせながら、あたしが差し出した手を見ているのっち
なかなか手を出してこないから、ヒョイヒョイっと指先を動かすと、ようやくニッと笑って手を掴もうとした所で
のっちの手より先にポンと置かれた手があって
伸びてきた先には、ちょっと悪戯に笑うゆかちゃんがいて

「のっちは一人で立てるじゃろ?」
「え、あ、まぁw」
「じゃ、そういうことでwあ〜ちゃん行こ?」
「え?ちょ、ゆかちゃん?」

あたしの手を握って、そのまま出口に向かうゆかちゃん
ゆかちゃんに引っ張られながら、後ろののっちへ振り返ると

「ちょっとw置いてかないでよぅw」

慌てて立ち上がって、追いかけてくるのっちに
反射的に、ゆかちゃんと繋いだ方と反対の手を伸ばしていた
その手を、のっちがしっかり掴まえてくれた

伸ばしてくれた手は、夢じゃないんだ…
無邪気に笑うのっちは、何も変わらない

ゆかちゃんが言ったように、時間は待ってはくれない
楽しい時間も辛い時間も、嬉しい時間も苦しい時間も、過ぎてしまうとすべては過去になっていく
だったらいつか、すべてを笑って話せるような、そんな自分になりたいな
でも、やっぱりちょっと切なくなったりもして、さ?

三人で話せたら良いよね?


ずっと、大好き…


—つづく—






最終更新:2010年01月19日 18:35