「目の上くらいにしてね?」
「わかった。目つぶってー」
ためらいがちにハサミを当てて位置を確認。
ん〜もうちょっと下かな?いやでもこんくらいが調度いいのかも…えい!もーどうにでもなれ!
「…ちょっと短すぎん?」
「そんなことないよ、かわいいのっち!」
「でも明らかに眉毛より上、」
「似合ってるのっち!かわいい〜」
「ゆかちゃん」
「はい」
「失敗したよね?」
「はい」
これは素直にごめんなさい。
のっちはも〜だとかまったく〜だとかぶつぶつ言いながら切った前髪とハサミを片づけてくれた。
んーもっと上手く切れる予定だったんだよね。まさかあんなことになるなんて、切る前は予想もしてなかったんだよね。
でも…やっぱかわいいと思うんだけどな〜?
「のっち…ごめんね?」
「ん〜じゃあ…今夜泊めて?」
「えっ?なんでそうなるん?」
えっなんでなんで?失敗したお詫びに泊めろってこと?
別にいいけどさ…いいんだけどさ〜?なんで?
「お泊りしたことないじゃん。1回してみたい。」
「また急だね。なんで今日?」
「ん?弱みにつけこもうかと思って♪」
やっぱり…お詫びに泊めろ作戦だ。
別に嫌じゃないよ。嫌じゃないけど…大丈夫なのかな。果たしてのっちは安全なのか…。ゆかん家お客さん用のお布団とかないけど…果たして…。
「そんな難しい顔せんでよ〜。なんもしないよ。約束じゃん。」
「…本当?」
「本当。この顔が嘘ついてる顔に見える?」
のっちはキリっと顔を作って精一杯ゆかに安全ですよのアピールをする。
でも別にいつもののっちとなんら変わりはないけど…。果たして…。
「そ、そんな信用ないんですかのっちは…」
あ、ヘコんだ。
「ゆかちゃん…だめ?」
あ、出た犬だ。
「指一本触れないから〜…ね?」
そこまで言うか!
そんじゃあ…うん、まぁいっか。
つづく
最終更新:2010年01月19日 18:42