アットウィキロゴ
お風呂も入って歯も磨いて二人で同じベッドに入って。
やってることは完全にカップルじゃん。違うのはなんだろう…気持ちだけ?

すぐ横でのっちが俯せになってる。大きい訳でもないベッドだから本当すぐそこで。てか横向きになってよ狭いじゃん。
普通の友達ならこんな距離無理だ。近すぎる。
けどのっちにはそんな事感じないのは、やっぱなんか違ってきたのかな…悔しいけど。

「のっち横向きなって。狭い。」
「ふふ、ゆかちゃんの匂い…」
「キモイ!やめてよー!」
「えー何?聞こえませーん」
「もぉ…あほバカおにぎり変な前髪」
「やっぱ前髪変だと思ってんじゃん!」
「何聞こえませーん。てか横向いて。」

しょうがないなーとか言いながらのっちが横向いたから向かい合わせになった。
…計算ミス。これは更に寝にくい。

「…あっち向いてよ」
「やだ。」
「じゃあゆかが、」
「ダメー!」

必死で止めにはいるのっちがなんだかおかしくて思わず笑ってしまった。
のっちもニコニコいや、ニヤニヤしてる。こんな状況だってのに、ほのぼのする。

「ゆかちゃん、手!繋いで寝よ?」
「…指一本触れないって言ったの誰ですか?」
「ごめんあれ間違った。指一本では触れない、だった。」
「何それ?アホなののっち」
「うんアホなの。だから手!」

しょうもないな〜のっちは。でもそう言うとこ嫌いじゃない。
ゆかの手をギュっと握って嬉しそうに笑うのをかわいいと思ってしまうのもある意味仕方のないことなのかも。

「のっちさ…なんでゆかのこと好きなの?」

ずっと聞いてみたかったんだ。
ずっと友達でやってきたはずなのにそのゆかの何がいいのか。何が好きなのか。なんでゆかなのか。
のっちは照れてるみたいに繋いだ手をいじいじしながら、え〜?とかんーとか言ってる。
のっちでも照れることあるんだね貴重だわ。…やばいなんか面白い。

「いつから好きだったの?」
「…出会った時から」
「出会った時?」
「入学式で隣に座ったじゃん?あの時にね一目見てかわいーなーって思って。そしたらクラスとかも一緒でやったーみたいな。友達なれてラッキーみたいな」

のっちは早口にぺらぺらとしゃべると照れ隠しか知らないけどお布団で顔を隠した。

「…つまり一目惚れ?」
「……そうです。」

声ちっさ!
もはやいつもののっちの影は消えていた。目の前にいるのはのっちのようでのっちじゃない…別の人みたい。
なんだこいつかわいいかも…。

…出会った時から好きでいてくれたんだ。そっかそっか、そっかぁ。
じゃあ今までゆかとあいつの話しどんな想いで聞いてくれてたのかな…。

「だから今こうしていられるの奇跡みたいで、すっごい嬉しいんよ。ありがとう」

お布団から顔を出してまたゆかの手を握って力なく笑って。その顔を見て思わず泣きそうになる。
奇跡みたいって思ってくれてるんだのっちは。
…ゆかそんな風に想われていいような人なのかな?

「…大好きだよ」

ハニカムのっちに、握った手に思わず力が入る。
こんな真正面から堂々と好きだなんて言われると、そんな気なくてもドキっとするよ。顔見れないよ。

「ゆかちゃん、好き」
「…うん」

悔しい。のっち相手に照れて俯くなんて、悔しい。
認めたくないけど、ゆかドキドキしてる。

「…ギュッてさせて?」
「だ、ダメだよ…」
「なんで?」
「なんでって…約束じゃん。…ダメ。」
「したら別れる?」
「…ぅん」

今そんな事されたらドキドキしてるのバレちゃう…。

「…だよね。ごめん。」

顔を上げて久々にのっちを見ると、さっきまで幸せいっぱいにニヤついてたくせに今は泣きそうな顔で笑ってて…。
ゆかの一言でこの人は天国にも地獄にもいけるんだって思ったらなんか無性に愛しくなって。

「…ちょっとだけなら、いいよ」


つづく






最終更新:2010年01月19日 19:03