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◆A-side◆
あ〜ちゃんです。事件です。朝目が覚めたら…ちゃあぽんになっていました。
「お姉ちゃんお姉ちゃん!」
部屋に飛び込んでくるピンク色の物体、もといあ〜ちゃん。自分が目の前にいる…似たような事がつい最近あった気がして頭が痛くなった。
「なんで…あたしお姉ちゃんになっとるん!?」
「とりあえず落ち着いてちゃあぽん、良いから落ち着いて」
パニックになっているちゃあぽんを、お姉ちゃんらしく宥める。そりゃパニックにもなるわな。
「ちゃあぽん…昨日変なお星様の形した飴食べなかった?」
「え…食べたっけ?…覚えてないや」
「その飴ね、体が入れ替わる飴なんよ」
「えーっ!てゆーかなんでお姉ちゃんがそんな事知っとるんよ」
「だってお姉ちゃんこの前のっちと…」
途中まで言い掛けて、慌てて口を塞いだ。首をかしげるちゃあぽん。これは言えない…のっちと体が入れ替わってましたなんて、絶対言えない。
それと同時に、目の前の妹に襲われかけたあの夜の事を思い出した。本当に恐かった。
「どうやったら元に戻るん?」
「とりあえず三日経てば戻るみたい」
「長ー」


ちゃあぽんはげんなり。だけどちょっと待てよ。ゆかちゃんは確か、体が入れ替わるのは食べた本人とその好きな人…。だとしたら、ちゃあぽんとあ〜ちゃんの体が入れ替わるのおかしくない?
「あ、でもラッキー」
急にちゃあぽんが嬉しそうに笑った。どうしたどうした。
「月曜からテストじゃけん、お姉ちゃんが受けてくれるなら全教科満点じゃ!」
そーゆー事ね。でも全部満点は難しいかも。あ〜ちゃん文系苦手だし。
「この事…うちら姉妹だけの秘密だよ?お母さんにもお父さんにもしげ君にも、絶対言ったらいけんよ、大騒ぎするけぇ」
「うん分かった、秘密だね」
しっかりと握手する自分達。うちら姉妹の絆は強いからね。
「とりあえず今日は日曜だし良いとして、明日から学校だね。ちゃあぽんはあ〜ちゃんの制服着て、ちゃんと学校行ってよ?あ〜ちゃんも中学校行くから」
「え、う、うん…すっごい不安だよ…」
「大丈夫!ゆかちゃんにはちゃんと伝えておくけぇ、助けてくれるから!のっちは…」
そこまで言ってハッとした。…そうだ、のっちのこと忘れてた。どうしよう言うべきか、言わない方が良いのか…。


…やっぱり言おう。隠し事はしたくないし…。そういえば今日のっち泊まりに来るんだった!ちょうど良いや。
「のっちには…ちゃんと言おう、のっちには隠し事したくないから…」
「そっか、そんなにのっちが好きなんだね」
「!?げほっごほっ」
な、何を言うんですか。ビックリして、むせた。
「お姉ちゃん顔真っ赤〜可愛い〜」
妹にからかわれるとか、お姉ちゃんのプライドズタズタだ。心を読まれたみたいで、すっごく恥かしい。
そうだとも、のっちの事は大好きだよ。

◆C-side◆

はじめまして。ちゃあぽんです。実は、お姉ちゃんに秘密にしている事があります。


昨日の放課後、友達と町をブラブラしてたらお姉ちゃんの友達の有香ちゃんと会って…
「ちゃあぽんって、のっちが好きなんだよね?」
「え…う、うん」
「あ〜ちゃんとのっちが、そーゆー関係だって知ってるよね?」
「うん…」
だってこの前、この目で見たし。二人でトイレで怪しい事してたり、ベッドに手錠繋いで危ない事してたり…。
「あ〜ちゃんが羨ましい?」
「うん」
あ、つい本音が。のっちにだったら、あんな事されても全然平気。むしろ嬉しい。


だけど、のっちはお姉ちゃん大好きだし、あたしなんか子供扱いして相手にしてくれない。
「ちゃあぽん手、出して」
「…?」
言われた通り手を出すと、飴を渡された。袋に包まれた星の形をした飴。凄く美味しそう。
「あ〜ちゃんになって、のっちを独り占めしたくない?」
「し、したい!」
「なら、あ〜ちゃんの事を考えながらコレ食べてみて」
「この飴を…?」
「うん、騙されたと思って試してみて。皆にはゆかから飴貰った事は秘密だよ?」
そう言って、有香ちゃんは手を振って笑顔で去って行った。相変わらず美人で大人っぽくて憧れる。ミステリアスな所が、凄くカッコ良い。
この飴を食べたらお姉ちゃんになれるの?まさかね。だけど、もし本当にそうなったら…。ちゃあぽんの脳内はピンク色。誰にもお見せ出来ません。


とまぁ、こんな感じで、今に至ります。いやー凄い飴だ。有香ちゃん、なんでこんな凄い飴持ってるんだろ?やっぱり謎が多いや。
「お姉ちゃん、のっちには秘密にしとこうよ」
「え…?」
「のっちなら、すぐ様子が変な事に気付くじゃろ?」
そう、これはゲームだよ。のっちにバレない様に、お姉ちゃんを演じるの。


お姉ちゃんは随分と困った顔をしてる。これは、二人の絆を試すゲームでもあるんだよ。
のっちが気付かなかったら、それは二人の絆が弱い証拠。恋人だったら普通すぐ気付くよね?
「お姉ちゃん、のっちに見抜いてもらう自信無いの?」
ちょっと挑発してみた。ムッとするお姉ちゃん。まんまと挑発に乗ってくれたみたい。
「のっちだったら一分で気付くよ!いや、五秒で気付く!」
「相当強気じゃね」
「当たり前じゃ!のっちとあ〜ちゃんの絆舐めちゃいかんよ」
自信満々なお姉ちゃん。だけどごめんね。その絆…ちゃあぽんが壊してしまうかも。
「なら勝負しようよ、のっちが三日間気付かんかったら、お姉ちゃんのっちと別れてよ」
「……え?」
その瞬間、お姉ちゃんは凍り付いた。
「なーんてね、冗談だよ!本気にした?」
「あ、あぁ冗談だよね!あははは」
ホッとしたようなお姉ちゃん。あ、本当に冗談だよ?あたしそこまで腹黒くないし。別れるまで行ったらお姉ちゃん可哀相だし。お姉ちゃんの事も大好きだから。
「じゃあ三日間バレなかったらアイスとお小遣い半分ね!」
「その勝負乗った!」
のっち、頑張ってね。

◆2-1:End◆






最終更新:2008年10月12日 18:25