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2008年の締め括りとして、これもまた夢であった紅白の出場という形で、すばらしい締め括りになった
その後も、仕事が続いて新しい年を三人で迎えて
今年もヨロシクって挨拶をして
いい年になると良いねって、そんな会話をしていた

テレビ出演が終わってから、お正月休みを貰ったあたし達は、それぞれ思い思いの時を過ごした

嬉しい事に5月には、代々木第一体育館でのライブも決まっていて
それに向けて新たな動きも始めていた

大きな所で出来る喜びもあったけど、それに比例して不安も大きかった
自分達が、こんな所でしても良いだろうか?と…
売れていなかった頃、いつも崖っぷちでやっていた時も不安は抱えていたけれど
ようやく、皆に知ってもらえるようになって、たくさんのファンの方もついてくれて
奇跡みたいに嬉しくて…
でも、この世界はそんなに簡単に生き残れる世界じゃない
それも知っているから、いつか飽きられてしまうんじゃないかって、怖くなる事があるの
それは、少なからず二人も感じていることで、おかげで一人で悩む必要はないから救われている

今までのPerfumeはライブやイベントがメインで、常にお客さんの反応が直で感じれたけど
最近は、テレビでの仕事も増えて、もちろん嬉しいんだけど、どこに向けて、誰に向けて発信しているのか分からなくなるコトもあって
自分たちを見てくれてる人がいるのか、不安でしかたなかった

「あ〜ちゃん、難しい顔してどうしたん?」

のっちが居ない楽屋で、声を掛けてくれたのはゆかちゃん

「え、んーん?別に大した事ないけぇw」
「ホンマにぃ?」
「ホンマよぅ」
「あ〜ちゃんの大した事ないって、あんま信用できないんじゃけど」
「えー、ゆかちゃんヒドイよぅ」

「wだって、あ〜ちゃんて、知らんうちにいっぱい抱え込んどるんじゃもん」
「そ、そうかなぁ?」
「そうじゃよw…じゃけぇ、不安な事あったら、溜め込まんで言うてよ?私じゃ何も出来んかもしれんけど、言うだけで楽んなることもあるし…」
「うん、ありがとう」




弱音なんて、言うの好きじゃないから
そのまま終わらせようと思ったんだけど

「あ〜ちゃん、だいぶ痩せたね…」

あたしの頬を包み込む、ゆかちゃんの両手

「ちょっと、心配…」

困ったように微笑んでから、手を離したゆかちゃん
なぜか、切なかった

「あ〜ちゃん、今幸せ?」

それは、去年の上海でされた質問とまったく同じもの
あの時は、すぐに幸せって答えられたけど…今は…

「幸せ、だと思う…」

だって、たくさんの人に支えられて、大好きな二人と一緒に歌えて踊れて、ライブだってさせて貰えるんだから…
幸せじゃないはずない

「そっか…」
「ゆかちゃん、は?」
「私?」
「ぅん」

あたしも、同じように尋ねる

「ん〜…よぅ分からんw」
「ぇ?」
「なんかねー、最近元気なくって…」
「…ゆかちゃんの、好きな人?」
「うん、そうw」

ゆかちゃんは、その人と付き合っているわけではないみたい
でも、側に居られるから良いんだって
その人が幸せでいてくれることが、ゆかちゃんの幸せなんだって




「なんか行き詰った時、あ〜ちゃんだったら、どうして欲しい?」
「あたしぃ?」
「うんw参考までに?」
「参考て…」

相手、男の人じゃないの?

「いいからいいからw」
「ぅ、ぅ〜ん…そうじゃねぇ…」
「うんうん」

「…頭、撫でてほしい、、かな…。ほらぁ、あたしヨシヨシされるの好きだからwへへw」
「なるほど…」

うんうんと頷いてるゆかちゃん

「ん!よし、今度やってみよ」
「ぅえ?ホンマにぃ?」
「え?ダメ?」
「だって、いきなりそんな事して、ゆかちゃんが嫌われたら困るけぇ…」

「嫌われるかなぁ?」
「ゃ、分か、らんけど…」

縋るようにコッチを見てくるゆかちゃんに、思わず視線を逸らしたら
ぽんぽんと、頭に心地良いリズム
ハッとまた視線を戻すと

「嫌いんなった?」
「な、なるわけないじゃろ!」

あたしは、もともと撫でられるの、好きなんだから…

「ヒヒwなら良かった。きっと大丈夫じゃw」

そのまま、しばらく撫でてくれてるけど

「…ゆかちゃんが撫でる相手は、あたしじゃないじゃろ?」
「ん?んー…まぁ、いいじゃんw参考にさせてもらうお礼ってことでw」

すごく嬉しそうに撫でてるから、止めてって言うのもなんだし
もう少し、このままで…と思ったら

「わwあ〜ちゃんっ、何で泣きよるん??」
「へ?」

自分でも、気付かないうちに涙が流れてた




「ごめんあ〜ちゃん、あんまり撫でてほしくなかった??」

突然の事に驚いて、撫でていた手が慌ててあたしの涙を拭った
普段あまり慌てないゆかちゃんが、あたふたしてるw

「ゆかちゃんw違うんよ」
「ん、ぅん?」
「ホントは、今、ちょっとしんどくって…だからゆかちゃんの手、昔からなんか落ち着くけぇ、安心しちゃってw」

あたしがそう言うと

「そ、そっかぁ」

安堵の溜息を漏らした

「…でも、あ〜ちゃんまだ泣いとる」
「…ぅん、ごめん…」

今のあたしに、一度流れ出した涙を止めることはできなくて
自然に治まるまで待つほかない

「ぇっと、、あんま見られとぅない、よね?」

気を遣って部屋を出て行こうとするゆかちゃん
だけどあたしは、隣で立ち上がったゆかちゃんの指先を、力なく掴んだ
一瞬、ビックリしたみたいだけど

「…ココに、いて?」
「…ん、解った」

あたしが言うと、すぐに元の椅子に座ってくれた

自分でも、なんで引き止めたのかよく解らなかった
ゆかちゃんが言うように、弱い所なんて見られたくないはずなのに…
ただ、一人が嫌だったのかもかもしれない
でもたぶん、誰でも良い訳じゃないと思う

ゆかちゃんだから…
あと、たぶんのっちも…

二人になら見せても良いと思った
弱い部分…見られても良いと思った

「あ〜ちゃん…」

ゆかちゃんは、あたしの涙が治まるまで、手を握っていてくれた

ライブの後はよく泣いてるけど
それ以外で、こんなに人前で泣いたの
どれくらい振りだろ…?


—つづく—





最終更新:2010年01月19日 19:22