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……あれ?あれれ?反応が、ない。
下げてた視線をまた上げると、まっすぐこっちを見てる人と目が合った。

「…のっち?」
「……いいの?」

空気が変わった気がした。その瞬間、動けなくなった。さっきの自分の言葉に少し後悔もした。…こんなに緊張するものだっけ?

「ちょ、ちょっとだけ…」
「……うん」

元々近かった距離が更に近付く。
横向きで寝そべるゆかを上から眺めるようにして、のっちは手をついた。
ついたかと思ったら肩をぐいっと押されて、ゆかはのっちと向き合う形にもってかれた。
ゆかを見下ろすのっちが真剣そのもので…思わず息をのむ。

ゆかの顔のすぐ横にのっちは顔を埋めた。抱きしめるって言うか、覆いかぶさるって言うか…とにかく体がぴったりくっついてて…熱い。
のっちの鼓動が伝わってくるようでくすぐったい。ゆかのドキドキはのっちに気付かれませんように…。

のっちは何もしゃべらない。そのままじっと、まるでゆかの感触を確認してるみたいに動かない。
ただ、頭に置かれた手の指だけがゆかをあやすように動いてて…ダメだ。恥ずかしい。
ゆかも言葉が出ないでいた。でも何か発しないと身が持たない気もして…考えた末に出たのはのっちの名前だった。

「…のっち」
「ゆかちゃん今日甘いね…」

いつもより少し低いのっちの聞き慣れない声が耳のすぐそこで響く。
甘いのは…のっちの声の方じゃない?

「…のっち?」
「のっちに甘い…」

ぎゅっと…そのまま抱きしめられて途端に窮屈さを感じる。

「こんなん許してくれるとかありえん…そんな前髪気にしてんの?」
「…そんなんじゃないよ」
「じゃあどんなん?」

ゆかを腕の中に残してのっちは顔をあげた。あまりの至近距離に思わず顔を背けたら耳に柔らかい感触が落ちてきた。
のっちの…唇だ。

「…照れてる?」
「照れてない」
「ドキドキしてる?」
「…してない」
「嘘。」

全部見透かしてるようなのっちの声に背筋がゾクっとした。
…ダメだ。このままじゃダメだ。
慌ててのっちの肩を押すと案外簡単にのっちはゆかから離れた。

「…ニヤニヤすんな」
「もう終わり?」
「終わり!てか下で寝ろ!」
「えー!そりゃないよゆかちゃん」
「じゃあゆかが行く。おやすみ」
「だめだめだめっ何言ってんの!」
「行くー!」
「落ち着いて」
「触らんでよバカー!」
「落ち着いてー、もう触んないから!ねっ?」

そう言うことじゃないよ!そう言うことだけど、そう言うことじゃないんよ!
夢だけど、夢じゃなかったーみたいな感じなんよ!あー意味わからん!

結局ゆかものっちもそのままベッドで寝た。
けどのっちには背中を向けて、寝た。


つづく






最終更新:2010年01月19日 19:30