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▲63日目
「ぎゃははは。中田くん、おもしろーい」
席が前後って関係だけで中田くんとあ〜ちゃんが最近急接近している。
ホっとするのは、中田くんがあ〜ちゃんに対してさほど興味を持ってないことだ。
この男、本当に女の子に興味がないんだな。天使なあ〜ちゃんを前にしても動じないんだもん。ある意味、神だわ。

「あっ、のっち。おはようwいっつもギリギリじゃね〜」
「おはよう。いやー、目覚まし掛けてるんだけどなかなか起きれなくてw」

「じゃー、あたしが毎朝電話掛けてあげようか?」
「えっ!!いいの!?」

「別にいいよ。何時に掛ければいい?」
「えー、7時半?」

「遅っ。そんなギリギリじゃダメじゃよ。7時にするね」
「あー・・・はい。お願いします」

「てか、お母さん起してくれんの?」
「あー・・・」

「こいつ今一人暮らししてんだよ」

「えー!?なんでー?」
「お父さんが今福岡で単身赴任だったんだけど、お母さんもそっちに行っちゃってて、半分置き去りみたいな感じ?w」

「そうなんだ・・・。ご飯とかどうしてるん?」
「え・・・テキトーに・・・コンビニ弁当とか、スーパーのお惣菜とか・・・」

「そんなんじゃダメよ!!もう、仕方ないな〜。あたしが作ってあげるけぇ」
「えっ!?あ〜ちゃん料理出来んの?」
「バカにするな〜。料理くらい出来るわ!!」

中田くんのナイスアシストでうちであ〜ちゃんが料理を作ってくれることになった。
ワーイ!ワーイ!踊りたいほど嬉しいけど、中田くんにキモイって言われそうだから止めた。


▲70日目
「マジであ〜ちゃんの料理うめーw」
「ありがとう。そんな美味しそうに食べてくれると作りがいあるわw」
あ〜ちゃんの手料理を食べて1週間。
あたしは毎日おいしいものを食べれて満足満足。若干体重も増加しちゃったけどw

お昼休みはあ〜ちゃん特製お弁当をふたりで食べるのが日課になった。
中田くんも誘ったけど、変に遠慮しちゃって断られた。むしろ、彼なりの気遣い?そんな訳ないかw

「あ〜ちゃん!!」
楽しくあ〜ちゃんとお昼休みを過ごしてたのに邪魔が入った。
「なん?」
「やっと見つけた。俺も一緒に飯食っていい?」
あたしになんの挨拶もなしに、ずかずかとそこに座り込む無礼な奴。

「あー・・・、いい?」
無礼者のかわりにあ〜ちゃんがあたしに気を使ってる。
あたしは首をコクコク縦に振るだけ。本当は嫌だったけど、ここで嫌とも言えないあたしはヘタレですよ。

無礼者は三年の宮川先輩。黒縁メガネが目障りだ。
「ねぇ、いつになったら俺と付き合ってくれるの?」
「えー、それは前にも言ったじゃないですか〜」

「そうだけど、なんか納得いかないんだよ。俺、あ〜ちゃんに本気で恋してるんだけど。運命感じちゃってるんだけど」
おいおい、こいつあたしがいること忘れてんじゃね?
せっかくのおいしいあ〜ちゃん特製お弁当がまずくなるじゃん!
てか、お前もあ〜ちゃんに運命の恋してんのかよ!!あたしの真似すんなよ!

「ふふふ。先輩って案外ロマンチストなんですね。運命なんてあるわけないじゃないですか。恋なんて所詮、絵空事じゃないですか」
「その場その場が楽しければいいじゃないですか。あたしは束縛とか嫉妬とかそういうめんどくさい事したくないんです」
「あたしは誰かの所有物なんかになりたくないんです」
あ〜ちゃんは天使の顔して実は超現実的な考え方の持ち主なのか・・・。
齢16にしてその考えはスゲー・・・。あたし若干凹んだよ。

「えー、あ〜ちゃん。超クールw」って、先輩は笑ってるけどあんたもあたしみたいに凹んでるでしょ。強がってても見ててわかるよ。イタいよ。



▲254日目
「あー、超好き!!大好き!!好きすぎてヤバい!!どうしよ、どうしよw」
「肌が白いところも好きだしー」
「笑うとくしゃって可愛くえくぼが出るところも好きだしー」
「柔らかくて綺麗な黒髪も好きだしー」
「キュってなってる足首も好きだしー」
「おっきい胸も好きだしー」
「清純そうで実はエッチなところも好きだしー」
「もうね、なんてゆーかね、全部!!そう全部好きなの!!」
「・・・・」

「中田くん!!聞いてんの!?」
「・・・聞いてない」

「もう!中田くんも恋しなよ!!」
「はぁ?」

「いやー、人間やっぱり恋しないとダメだよw恋って素晴らしいよ!!」
「・・・お前そんなことより、時間へーきなのかよ。これからその”あ〜ちゃん”とデートなんだろ?」

「あっ!!しまった!!もっと早く教えてよ!!バカ!!」
「オレはたまになんでお前と友達なんだろって本気で思うよ・・・」


▲70日目
「おじゃましまーす」
「どーぞ」

「のっちんちってデカいんじゃね〜。もしかしてお金持ち?」
「違うよ〜。一昨年お父さんが宝くじ当たってそのお金でリフォームしただけだよw」
「そうなんじゃw」

あ〜ちゃんがあたしの部屋にいる!!
なんだこの夢みたいなシチュエーションは!!

「あ〜ちゃん、今日黒縁メガネの先輩に告られてたね・・・」
「あー、あの人、しつこいんよw今日で3回目よ!?」

「てか、昨日も違う人に告られてたよね」
「うん。のっちよく知っとるねw」
「えへへ」
あたしは笑って誤魔化す。そりゃ知ってるよ〜。あたしは四六時中あ〜ちゃんの事想っているんですもの。

「あっ!!そうそう中田くんから聞いたんじゃけどね〜」
「うん?」
「のっちってあたしの事好きなん?」
「はぁぁぁぁ!!??」
あたしは思わず今までにないデカイ声を張り上げた。
中田ーーー!!あんにゃろーーー。あした学校行ったらぶっ飛ばしてやる!!

「っちょ・・・、のっち声デカっ。ビックリするわw」
「ご、ごめん」
「ねぇねぇ、あたしの事好きなん?」
あ〜ちゃんは楽しそうにしてあたしの顔を覗き込む。ちけーよ。ドキドキすんじゃん。
今あたしの顔は真っ赤に染まってると思う。

「のっち、顔あかーいw」
ほらね。恥ずかしい。恥ずかしすぎる。
「と、友達として好きって事だよ!?べ、別に変な感情なんてないよ?」
「そんなんわかっとるけぇ。テンパってるのっち可愛い。ツンツン」
あ〜ちゃんはあたしのほっぺを無駄につつく。あたしはただ硬直してるだけ。

「あ〜ちゃんは、運命の人とか、恋とか信じない人なんだね・・・」
「えっ?あー、今日の先輩が言ってたこと?」
「うん」
「のっちは、信じてるの?運命の恋って?」
「信じてるよ!!」
だって、あたしはあ〜ちゃんに感じてるもん。運命の人ってさ。



▲108日目
あー、体育係って大変。
やっぱあたしってクジ運ないや。
さっきまで使ってたバスケットボールを体育館の倉庫に閉まってたら、遅くなっちゃった。
早く着替えないと次の授業に間に合わなくなっちゃう。てか、次は生物だから寝てても大丈夫なんだけどね。

うーん、しかし7月に入っての体育館でのバスケは暑い。
じっとり嫌な汗かいちゃったよ。早く着替えたい。あ〜ちゃん、8×4持ってるかな?あ〜ちゃんなら持ってるよね。あとで借りよう。

ガラっと、誰もいない更衣室を開けた。
ありゃ?誰もいないと思ってたら、あ〜ちゃんが待っててくれた。

「あ〜ちゃん!!待っててくれたの?」
「うん」
「ありがとう!!すぐ着替えるから!!あっ、8×4ある?」
「あるよ〜」
「貸して」
「いいよ」
あたしはすかさず全身にシューシューとスプレーをかける。おかげで更衣室内は爽やかなミントの香りが舞ってる。

「のっち、汗」
「へ?・・・!?」
あ〜ちゃんはなぜかあたしの首筋に流れた汗を指で拭い去った。
ヤバイ、超ドキっとした。な、なんだ?なんだんだ?

なんか、あ〜ちゃん色っぽいぞ。
暑いからか、制服のポロシャツのボタン全開に開けてるし。
あー・・・そっからチロっとブラジャー見えちゃってるよ。なに?見せてんの?
ポロシャツの裾でパタパタと風を送るたんびに、白い肌がチロっと見えちゃってるんだけど。なに?誘ってんの?

あたしはあ〜ちゃんに背を向けて体操着から制服に着替えようとしたら、お腹と背中に体温を感じた。
あ〜ちゃんが後ろから抱きついてきた。な、なんで!?一気に体温上昇だよ!!
やばい、また首筋から汗が出てきちゃうよ。

「のっちぃ・・・」
「は、い」
思わず声も震える。
体操着の裾をグイって引っ張られて、あ〜ちゃんと向かい合う体勢になった。
あ〜ちゃんはまだ裾を握ったままで、今度は前に引っ張られてその勢いのままキスされた。

一瞬なんのことかわかんなかった。
目もつむれなかった。触れた唇から全身に緊張が走った。

「初めて、だった?」
「は、い」
「ふふ、可愛いね」
そう言ってまたキスされた。
何度も何度も。

あたしはぎこちないキスしか出来なかった。








最終更新:2010年02月06日 19:50