皮膚が引きつれるような感覚と唇の温度に、見えない背中に描かれるのっちの痕が頭に浮かんで、
愛しさが胸を塞いで呼吸がどんどんめちゃくちゃになる。
そして、そんなゆかにさらに追い討ちをかけるのが…………声。
「……ん………ゆか……ちゃ、ん……」
する時に名前を呼んで欲しいと、のっちに言ったことはない。だから無意識…なんだろうな。
呼ぶ声に余計に強くなる快感に飲み込まれないように、シーツをきつく握る。
肌が白くなるほど強く握った拳の横を流れた汗がシーツに吸い込まれて……
結局ゆかも波に飲み込まれた…。
のっちはゆかより落ち着くのが早い。
それは当たり前と言えば当たり前なんだけど、ゆかだけいつまでも息を切らしてるのは恥ずかしい…。
『…早く…落ち着いて…』
どうしようない気持ちで焦っていると耳元と首筋に優しいキスが降ってきた。
柔らかくて優しい、のっちそのものみたいなキス。
ゆっくりでいいよ、って言ってくれてるみたい。……大好きだ。
唇が離れてしまった後、背中を撫でてくれる指先はどこまでも優しい。
少しだけ、いつまでも落ち着きたくないような気がした。
シーツの波を泳いでのっちの元へ。首に腕を巻き付けてしがみつく。
綺麗な首筋と鎖骨。のっちの知らないゆかの顔を全て見ている唯一の部分。
のっちがくれる熱に浮かされた顔や時には耐えきれずに泣き出した顔。
のっちを愛しすぎているゆかの顔を、よく知っている部分。
弱味を握られたような悔しさに小さな報復を思い付いて…
唇を、寄せた。
最終更新:2010年02月06日 20:11