「キス…。してもいい?」
君の唇から紡がれた突然の言葉。
あまりにも唐突過ぎるその言葉に、
心臓が破裂するんじゃないかと思うほど鼓動を始める。
あたしは返事ができないまま、真意を確かめようと彼女の瞳を覗き込む。
その瞳がゆらりと揺れたかと思うと、
「冗談よ、冗談。」
「のっち、なんだか真剣な顔で固まっとるけぇ、ちょっとからかってみただけじゃ。」
ニコリといつもの笑顔を浮かべる。
「あは。そうだよね!!あ〜、びっくりした…。」
そう答えてみるものの、あたしの心臓はバクバク鳴り止まない。
「突然変なこと言うから、何事かと思ったよ〜。」
「ごめんごめん。のっち顔真っ赤だよ。」
ニャハと表情を崩して笑うあ〜ちゃんに、
やっぱりかわいいと思いながらも、
恥ずかしさが勝り視線を逸らす。
「…冗談じゃなければ良かったのに。」
ふと本音が漏れた。
あ。やっちゃった…。
「ん?何か言った?」
その言葉にほっとする。
どうやらあ〜ちゃんには届かなかったようだ。
「んん。なんも。」
少しがっかりしつつも、
二度もそんなこと言える勇気はない。
結果、届かなくて良かったんだ。
「そっかぁ。残念。」
あ〜ちゃんはそう言ったかと思うと、
するりと両手をあたしの首に回してきた。
「…気のせいじゃなかったら良かったのにな。」
柔らかそうな唇はあたしの耳元に近づくと、
確かにそうつぶやいて離れていった。
これは彼女の計算…?
≪ END ≫
最終更新:2010年02月06日 20:14