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Side K
あの時…
2007年の年越しライブが終わった時だ

ライブが無事に終わった安心感と
年越しという大切な時を、私達と過ごしてくれたたくさんのお客さんへの感謝と嬉しさで、泣いちゃったあ〜ちゃんに
胸がぎゅぅってなったんだ

もちろん、のっちのことを好きじゃなくなった訳じゃない
のっちへの想いが、冷めた訳じゃない

ただ…
そう、ただ
のっちよりも愛しいって思ってしまったの

気付かずにいられたら、苦しくなかった
あ〜ちゃんじゃなくてのっちだったら、辛くなかった

自分を好きだと言ってくれるのっちなら、安心していられたのかもしれない
居心地が良くて、のっちと一緒にいるのは気持ちが楽だった

でもさ
それでもさ、、あ〜ちゃんだったんだよ
何で?って私が一番知りたいよ

そしてもう一つ
気付いてしまった

あ〜ちゃんの視線の先に
のっちが居ること

気付かずにいられたら、変わらずにのっちといれた
のっちに気持ちを戻せると思ってたから
のっちじゃなくて他の人だったらきっと、のっちと別れなかった
でも、のっちだったから…

「ねぇ、のっち」
キスした後、顔を覗き込んでくるのはあなたの癖
だから、そのタイミングで話を切り出した

「なん?」
「私さ…」

私が言いかけると「ヤダ」って言いながら、強く抱きしめてきた

「のっち?」
「ヤダよ。絶対嫌だ…」
「のっち、私、まだ何も言っとらんよ?」
「それでもヤダ」



のっちの腕の力が強くなる
あぁ、ごめんね。のっち知ってたんだ…
のっちの気持ち、こんなに想ってくれてるのに、私はのっちを傷つけちゃう
それでも、、言わなくちゃいけない…

「私、他に好きな人おるんよ」
「…あ〜ちゃん、、でしょ?ずっと、見とるけぇ、分かるよ…」
「ごめんね?」

私が、あ〜ちゃんの視線の先に気付いたように、のっちも気付いていたんだ

「このままで、いようよ…」
「ごめん…私は…」
「ゆかちゃんが想ってても、あ〜ちゃんは、、あ〜ちゃんは違うでしょ?」
「知っとる」
「じゃあ、良いじゃんっ。のっちのこと、まだ少しでも好きなら、、のっちといようよ」

まるで駄々を捏ねるように縋りついてくるのっち
やっぱり胸が痛む

「知っとるけぇ、なおさらのっちとはいられん」
「…」
「それに、のっちにお願いしたいんよ。あ〜ちゃんこと」
「なっ!!」
驚いてのっちが体を離した
「分かっとる!酷いお願いだって…」

「自分で…してよぉ…」
「あ〜ちゃんが好きなのは、のっちじゃけぇ」
「だったら、のっちだって無理だよ…」
「お願い…」
「そんなん、、ズルイよ」

分かってる、ズルくて最低なことくらい…
それでも私は、あ〜ちゃんの幸せを願ってしまう
でものっち?

「大丈夫。のっちも、あ〜ちゃんを好きになるよ」
ただのっちを傷つけたい訳じゃない
「分からんよぅ…」
「うちらは、似とるけぇ」

もちろん、すぐになんて無理だけど
あのあ〜ちゃんの側にいたら、のっちのココロの氷は溶けだすよ
ゆっくり溶けて、、その中に見つけるはずだよ?
のっちを照らしてくれる、たくさんの光の欠片
温かい、あ〜ちゃんの光

のっちの隣で笑ってるあ〜ちゃんを見たいの

…そうだ、あ〜ちゃんにもお願いしなくちゃ
私の我儘なお願い…
のっちの側にいてほしいって



Side N
大好きな人に、その大好きな人をお願いされた
何でそんなこと言うのか、全然解んなかった

あ〜ちゃんの気持ちだって、知らないわけじゃない
でも、いくらあ〜ちゃんが想ってくれても、あたしはゆかちゃんが好きなのに、なんで?
なれる訳ないでしょ?
あ〜ちゃんはあ〜ちゃんだよ…

「大丈夫。のっちも、あ〜ちゃんを好きになるよ」
「分からんよぅ…」
何が大丈夫なのか、何であ〜ちゃんを好きになるのか

「うちらは、似とるけぇ」
ちょっと困ったようにそう言ってきた

似てる…
その言葉に、一瞬でも納得しそうになった自分が嫌だった
今のあたしがどう考えたって、無理だから


あたしがどうがんばっても、ゆかちゃんの気持ちは変わらないみたいだから
この日、あたしがお願いした、とびっきりの甘いキスで
ゆかちゃんとの恋人の時間が終わりを告げた

せっかく甘いの、ってお願いしたのに
涙で甘くなくなっちゃったよ…


—つづく—





最終更新:2010年02月06日 20:32