◆N-side◆
温かい湯船に肩まで浸かる。左の頬を擦る。少し腫れてるみたい。まだジンジンと痛む。
ちゃあぽん…、一体どうしたんだろ。なんだか様子が変だよ。まるで別人みたいだ。
今まではのっちとあ〜ちゃんが仲良くしたって何も言わなかったのに、急に警戒し始めるし。
「一体なんなんだよう…」
ブクブクブク…のっちは顔を沈めた。良く考えたら、あ〜ちゃんが入った後のお風呂じゃん!ちょっとだけ飲も。変態過ぎるよね、ドン引きして良いよ。
◆C-side◆
「ちゃあぽん!ほんま気付けんさいや!危ない所だったんだから!」
「ごめんね…全然気が付かなくて…」
お風呂上りのパジャマ姿で泣く振りをするあたし。結構あたし演技派かも。
てゆーか、あのタイミングで忘れ物取りに来るなんて、お姉ちゃん空気読んでよね。せっかく良い所だったんだから。
そもそも、お姉ちゃんはどうしてそこまで嫌がるの?もっと凄い事、のっちとイッパイしてるはずなのに。良いじゃんお風呂くらい。
「ちゃあぽんは自分の部屋で寝んさい、のっちはあ〜ちゃんの部屋で寝かせれば良いから」
「え〜」
「え〜って、一緒に寝るつもりだったの!?」
お姉ちゃんは、有り得んくらい目を見開いた。自分で言うのも何だけど、あたしの目、かなり大きい。
「うーん、それが普通かなって」
「ダメ!絶対ダメ!あの変態、何するか分からんよ」
恋人を変態呼ばわりするなんて、お姉ちゃん変わってる。あたしからしてみたら、それに答えてるお姉ちゃんも変態だと思うんだけどな。
「分かった、じゃ言われた通りにするね」
「うん頼んだよ!…じゃ、あ〜ちゃん行くね」
「いってらっしゃい」
お姉ちゃんを見送る。全く心配性なんだから。よし…でもこれで邪魔者は居なくなった。もちろんお姉ちゃんの言う事を黙って聞く程、あたし良い子じゃないし?夜はまだまだ長いんだから…ね?
◆A-side◆
なんか、少しだけ引っ掛かるんだよね。一週間前まであんなにのっちの事が大好きだったちゃあぽんが、急に大人しくなるなんて。
「はぁ…心配だなー」
すごくお月様が綺麗だった。それを見つめて切なくなる。本当だったら、今頃のっちと…。あーもう!最近こんな事ばっかり考えてる。
実はあれから…キス所か手さえ繋いでない。だからさぁ…溜まってるんだよ、色んな欲求がさ。
「はぁ〜、これ欲求不満って言うのかな…」
寂しい呟きが、夜空に吸い込まれた。あ〜ちゃんだって、のっちとイチャイチャしたいよ…。
◆C-side◆
お姉ちゃんが買って来てくれた服を片付けていると、のっちがお風呂から出てきた。お風呂上り…すごく色っぽい。
「湯加減どうだった?」
「ちょうど良かった、すごく気持ち良かったよ」
微笑むのっち。左の頬が少し腫れてるみたい…お姉ちゃんが殴ったのかな?そんな事したらバレちゃうよ、お姉ちゃんのバカ。
「あ、そう言えばさ!あ〜ちゃんが見たいって言ってたDVD借りて来たよ」
「えーほんまに?見よ見よ!」
我ながら、お姉ちゃんになりきってるなぁ。のっち全然気付く気配無し、三日くらい楽勝じゃね。
「これ!残り一本しか無かったんよ」
のっちは自慢気にバッグからDVDを取り出した。あ、ちゃあぽんも見たかったヤツだ!凄く人気のラブストーリー。学校でも何度も話題になったよ。
のっちは慣れた手付きでプレイヤーにDVDを挿入。そして、ソファに座るあたしの隣に腰を下ろした。
「再生〜」
のっちの指が、ボタンを押した。
◆2-4:End◆
最終更新:2008年10月12日 18:45