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仕事は、町まで出なきゃいけないから
実際、ここは少し不便なんだけど
空気はいいし、なにより、静かだからいい。

別に、のっちは、多少空気が悪くても平気だけど
彼女は、きっとツライだろうから。

そんなこと言わないけれど。

それに、町にいると、
聞きたくないことだって、耳に入ってきやすい。
のっちは、もともと、そんなこと気にしないけど
彼女に関することは、聞きたくない。
きっと、彼女だって・・・

ま、そんなことは言わないけれど、さ。


ここはほんと
自然に囲まれてるってだけで
なんもないとこだから

白たちも
ましてや、黒たちなんか
ほとんど、立ち入ってくることはない。


大袈裟かもしれないけど
二人だけの、楽園だった。





トーストの焼ける匂いで、目が覚める。
んー・・・っと、大きく伸びをする。
仕事は、あんまり好きではない。
いや、好きじゃなかった、、、だな。
以前ののっちは、ほんとフラフラしていて
まともに働いてなんかなかった。

けど、今は違う。
彼女がいる。
彼女はもう、“以前”のようには、働けないから・・
二人の生活のため。

でも、それが、楽しい。
とまで言ったら、言い過ぎ。
けど、やりがいはあるし
なにより、毎日が充実している。

たった一人の人を想うキモチが
こんなに生活を変えてしまうなんて
いや、人生を変えてしまうなんて

彼女に出逢って、知ったこと。


キッチンへゆくと
彼女がちょこちょこっと、朝ごはんを準備している。

華奢な背中には、ちっさな黒い羽。


のっちたちは、もう十分にオトナなんだから
その羽の大きさは、とても不釣合い。


でも
だって
仕方ない。


その、羽は生まれつきのものじゃない。


彼女の

ゆかちゃんの羽は


もっと大きくて


とてもとても

目がくらむような

白、だった。



じゃぁ、なんで?


その話をするには

時間をもう少し、遡らないといけないんだ。





最終更新:2010年02月06日 20:36