Side N
何で、気付いたんだろう?
ただ、あなたを動揺させるためだったのに
何で、気付いたんだろう?
いつの間にか、本気になっていた
気付かなければ良かった
そしたら、辛い想いさせなくてよかったのに
気付かなければ良かった
そしたら、こんなに苦しくなかった
そしたら…
二度も、失わなかった
ゆかちゃんと別れた翌日
平気な振りを装って、ゆかちゃんと接していた
だけど、やっぱり内心は苦しかった
誰かに聞いてほしかった
だから、あ〜ちゃんを部屋に呼んだのに
ゆかちゃんに言われたからじゃなくて、何かあった時はいつもあ〜ちゃんに聞いて貰っていたから
ただ、それだけだったのに
「昨日…ゆかちゃんと別れた」
部屋に入って、後ろから付いてくるあ〜ちゃんに告げると、何で?って表情で…
だから「ゆかちゃん、他に好きな人いるって」正直に答えた
「好きな、人?」
「うんw」
昨日のことを思い出して泣きたくなったけど、そこは素直になれずに、あたしは笑う
でも、あたしの手は震えていて、行き場の無い想いに、あたしはあ〜ちゃんに抱きついていた
抱きついた瞬間、涙が抑えられなかった
「のっち…」
「ごめん。ちょっと、このままで、いさせて…」
もう一度あ〜ちゃんに呼ばれて顔を上げる
「のっち。大丈夫よ。あ〜ちゃんおるけぇ。のっちの側におるけぇ…。そんな顔、せんで?」
涙で濡れた頬を指で拭きながら、大丈夫って笑いかけてくる
そんな風にされたら、あたしは甘えてしまう
こんなこと、あ〜ちゃんを傷つけるだけなのに…
ゆかちゃんへの想いに耐え切れずに
無意識にあ〜ちゃんの唇へと自分のソレを重ねていた
「ん…」
「ご、ごめんっ」
自分のしていることに気付いて、慌てて離れたのに
「良いよ?のっちがしたいなら…」
「あたし、のっちのこと…」
うん…知ってるよあ〜ちゃん
あ〜ちゃんがあたしを好きだって
でも、あ〜ちゃんは「好き」とは言わなかった、あたしが望んでいる言葉じゃないって知ってるから
「あ〜ちゃん…ごめん」
我儘なあたしの想いを、柔らかく受け止めてくれるあ〜ちゃん
だから、もう一度キスして、あ〜ちゃんの洋服に手をかけた…
この時、あ〜ちゃんはどんな想いで抱かれたんだろう?
酷いヤツだよね
こんなことして、ズルいヤツだよね
これじゃあ、ゆかちゃんのこと言えないな…
ならせめて、ゆかちゃんを想いながら
あ〜ちゃんの名前を…
「あ〜ちゃん、ありがと」
「ちょっとは、役にたてた?」
帰ろうとするあ〜ちゃんにお礼を言う
あ〜ちゃんのお陰で、少し落ち着いた
「うん…あと、ごめん」
「それは、何のごめん?」
「え…」
「エッチしたこと?それとも、気持ちに応えられないこと?」
「……どっちも」
何で、そんな風に笑ってくれるんだろう?
「ふwどっちも気にしなくて良いよ?気持ちは知ってるし、エッチは同意のうえだし」
「でも…」
「もー!いい言うとるじゃろ?また、寂しくなったらいつでも呼びんさい!のっちが大丈夫思うまで付き合うけぇw」
「あ〜ちゃん…」
「のっちに甘えられるの、嫌いじゃないから」
「ありがとぅ…」
「それじゃ、また明日」
「うん、お休み」
この日からあたしは、あ〜ちゃんの優しさに甘えて、ゆかちゃんにぶつけられない気持ちをあ〜ちゃんを抱くことで消化していった
あ〜ちゃんの気持ちを利用してしまったんだ
—つづく—
最終更新:2010年02月06日 20:43