sideA
8年くらい前。
妹の素行の悪さは、なかなか直らなかった。
最初は怒っていたパパも
「お姉ちゃん、彩乃は何を考えてるんだろう?」
なんて、すっかり弱気になってしまった。
「・・・受け入れて、くれないのか?」
「そうじゃないよパパ。まだちょっと、慣れないだけ、だよ」
「そうだといいんだけど…」
妹には、準備ができてなかったから。
いきなり与えられても、今まで無知なものに慣れるのには、大人だって時間がかかる。
それを6歳の子にさせようってんだから、無理もない話だ。
そもそも私だって10歳だったけど、、。
「おい!彩乃!また出かけるのか!」
「…」
「彩乃!いい加減にしろ!!」
「かんけーないだろ!!」
玄関から聞こえてきた声に、急いで階段を降りた。
今夜も夜遊びに出掛ける様子だ。
本当、いい加減にした方がいい。
「ちょっとあんた!いい加減に、
「お前は黙ってろよ!」
「・・・お姉ちゃん?」
急に聞こえてきたゆかの声に、三人とも驚いた。
玄関から聞こえた声に、部屋から出てきたのは私だけじゃなかった。
「お姉ちゃんまたどっかいっちゃうの?」
「っつ、、、」
「お姉ちゃん?」
「…そのっ、、」
「ん?」
「“お姉ちゃん”ってのが気にいらねんだよ!!」
「おい!彩乃!!」
「ゆかちゃんにあたってんじゃないわよ!!」
「うるせー、、「、、っち!」
「「「はっ?」」」
「じゃあ“のっち”にする!彩乃だから!彩乃っちw」
「・・っ、、か、勝手にしろよ…」
乱暴にドアを開けて出ていった妹に、ゆかは「気を付けてね」と、小さく手を振った。
妹に笑顔でむかっていったんだ。
その日、妹は二時間しないうちに帰ってきた。
新しい呼び名をつけたゆかの部屋のドアにむかって「ごめん、な」って呟いていたのを、覚えてる。
最終更新:2010年02月19日 20:15