sideN
別に自分のことを可哀相だとも思わないけど、優等生の姉と比べられるのは一時期嫌だった。
まぁそもそも、そん時は自分が悪いんだけど。
だいたい自分のことを劣等生だとも思ってないし。
「ねぇ、お姉さんってもう研修医だっけ?」
昼休みの食堂の人混みを避けて、友人の彩とふたり、誰もいない講義室でパンを食べた。
なんで自分はこんなとこにいるんだろ、って思ってた。
「んぁ?なんだよ急に。そーだよ。なんで?」
「いやぁ、やっぱ優等生は違うなーと思って」
「……。だよねーw」
なんだ。やっぱり姉ちゃん優等生なんだ。
そう思ってたの、自分だけじゃないんだ。
「あー、、やっぱりあの人って優等生に見える?」
「は?…うーん。見える。ってかキャラ!優等生キャラw」
「なんだそれw」
「あはwあんたと真逆w」
あー。なるほど。真逆ですか、彩さん。
ってことは、やっぱ自分は劣等生か?
「だってフリョーだったんでしょー?」
「不良ってwそりゃねーよw」
まぁね。悪かったよ。
家族となんか口、聞かなかったもん。喋りたくなかったし。
「ねぇ、お姉さんと喧嘩とかしなかった?まじめだからw」
「…うーん。ま、喧嘩はしたよね。いっつも怒られてた。あの人まじめだからw」
「だよねーw嫌いだったでしょ?」
「ん?んー…いや、なんか不思議と、」
「なによ?」
「嫌い、にはならなかったな」
「なんで?」
「んー?だって、自慢だった。優秀なねーちゃんが」
「…」
「ん?なんだよ?」
「あんた可愛いとこあるわw」
「ばっ!ばかにしてんのかこら!」
そっかそっか。なんだ。単純だ。
憧れた姉が優等生だった。
じゃあ、それに近付こうと思った。
なんだ。単純じゃん、自分。
だからこんなとこで、馬鹿みたいに真面目に勉強してんだ。
最終更新:2010年04月05日 21:07