のっちとあやちゃんを見送った。
んー・・やっぱ、わざとらしかったかな?
でも、もう少しくらい打ち解けてくれてもなぁ、、、なんて。
でも、きっと
あやちゃんだって、のっちといれば
彼女のよさをわかってくれるはず。
てか、今だって、別に嫌いなわけじゃないのだろう。
ただ、、、どうしても納得できない。
そういうことなんだと思う。
窓の外を見上げると、お月様がキレイだった。
あと、どれだけ、この月を見上げることができるだろうか?
パパは、怖いくらい、月のキレイな夜に消えた。
たぶん、、、ママも、そうだったんじゃないのかな。
聞いたことはなかったけれど、今はなんだか、そんな気がする。
「ゆかは、トクベツなんだよ」
パパにそう言われながら育った。
ママは、パパの話の中でしか知らない。
なにもわからなかった頃は、“トクベツ”て言葉が心地よかった。
初めて、命を吹き込んだ花が咲いた時の感動は今でも鮮明に覚えている。
けど、そんな感情も、すぐにどっかに消えていった。
物心がつくころには、それは、ただの“違和感”になっていた。
みんなが、ゆかをトクベツ視する。
黒も、、、そして、白でさえも。
賞賛ですら、ただの違和感で、時に、苦痛で・・
なにが、トクベツ?
そんなの嬉しくない。
どんどん、自分が空虚になっていった。
そして、気付いた。
生命を与えるってことは
命を削っていると、いうこと。
仕事を繰り返すたび、空っぽになっていく。
ゆかはなんのために、生まれてきたんだろ?
与えて、与えて、与えて、、、、
そんなこと、ゆかじゃなくったっていいじゃん。
“トクベツ”な、白だったらいいんでしょ?
ねぇ、誰か、ちゃんとゆかのことを見てよ!
そんなときに出逢ったのが、のっちだった。
びっくりしちゃった。
あまりにフツーで。
ゆかの、仕事、わかった上で、
そんなこと、なんでもないように。。
再会して、同じ時間を過ごすようになってわかった。
のっちは、ちゃんと、
ゆかのことを見てくれてるんだ、って。
初めて、ココロが満たされるのがわかった。
これが、初めての恋だった。
そして
最後の恋人に。
最終更新:2010年04月05日 21:49