…ジトジトする。
梅雨じゃけぇ、仕方ないのはわかるけど不快感に包まれて鬱陶しい。
心の湿度も100%じゃねー。
あたしの隣に座ってる王子様はPSPと戯れてる。
まぁ、いつものことか。少しは構ってくれてもいいのにね。
ほらー、あなたのお姫様は退屈そうに雑誌読んどるよー。
…反応無し、と。つまらんのー。
せめて外が晴れてくれれば、なんてムチャクチャな事を考えてしまう。
ホントなら今頃2人で買い物に行く予定だったのに。
姫はご機嫌斜めじゃ。
ぼんやりしながら頭の中で独り言。
相変わらず隣の王子様はPSPと戯れてる…と、思ったらあたしの手元の雑誌を覗いてた。
「あ〜ちゃん、のっちこういうの好き」
そう言ってのっちが指さしたのは、大きなコサージュのついたキラキラのワンピース。
「あ〜ちゃんが着たらすごく可愛いと思うよ」
狙ってる?って勘違いしちゃうくらいの眩しい笑顔で、ニコニコしながらあ〜ちゃんのことを見つめてくる。
その姿が、妙に可愛くて愛おしい。
うん、やっぱりウチの王子が一番じゃね。
「……あんね、あ〜ちゃんはコレが好き…」
あたしの人差し指はのっちのほっぺに。
のっちのほっぺ、やわっこくて気持ちええけぇ。つい、ふにふにと撫でてしまう。
だんだんのっちのニコニコ顔も、優しく目が細なっていって微笑みに変わる。
あたしはこの顔も好きなんじゃ。
「のっちはこれが1番好きだよ」
って、のっちはあたしの頬に右手を重ねてきた。
少しだけ照れてる王子様がすごくキラキラしてて、胸がきゅぅってする。
今のあたしは絶対に顔が赤いな…。
目を見つめられてることがくすぐったくて、あたしは目を閉じる。
のっちが降らせたキスの雨は、あたしの心をカラッと晴れ上がらせた。
fin
最終更新:2008年10月12日 19:12