あたしさ、高校卒業と同時にすぐこっちに来たんだ。
親には堅実に生きろって言われてたんだけどねwまー、本心は自分の会社継いで欲しいってことだろうけどさ。
でもあたしはやっぱり自分のやりたい事をやっていきたかったわけ。
—それがダンス?
そう、ちっこい頃からダンス教室に通ってたの。きっかけは母さんが人見知りのあたしを心配して無理やり入れさしたんだけどね。
ほんと最初は嫌々やってたんだけど、そこの先生がめっちゃいい人でその先生に褒められたいが為に通っていた感じ。
で、だんだんおっきくなるにつれ、ダンスでご飯が食べれたらいいなって思ってさ。
先生に相談したらこっちにそういう知り合いがいるって教えてくれて、その人を頼りにあたしは広島を飛び出したのよ。
—親は反対しなかったの?
そりゃーしたよwほぼ家出同然で出てったから絶縁状態だよw連絡一切取ってないし、来ないもん。家なき子よw
そんでその知り合いの人に連絡して色々お世話になったんだけど、なかなかダンサーのオーディションに受からなくてね〜。
自信満々でこっちきたのに、受けるたんびに落ちていって、そのたびに凹みまくったな〜。
んで一、二年はバイトしながらオーディション受けるって生活してたのよ。これが結構大変でね、色々危ない橋渡りそうになったしw
—危ない橋?
あーwんまー、そこんところははあんまりツッコまないでw
そんな生活してたら、その知り合いの人から、てかその知り合いの人ってミキコさんって言うんだけどね、大型のオーディションがあるって聞いて。
色々下準備とか手伝ってくれたんだ。そのおかげで最終審査まで残ったのよ。すごいっしょ?もうそのオーディションにすべて賭けてたんだ。
それがダメだったらダンスやめようって、それくらいの覚悟で挑んだのよw
でもねー・・・その最終審査行く途中でね、自転車とぶつかっちゃったんだ。
自転車って、あなどっちゃダメだよ!あれは危険な乗り物だってwありゃー凶器だってww
—その事故の傷?
イエースw自転車に吹っ飛ばされてね。膝おかしくしちゃった。そんでもって、あたしの人生計画もおかしくなっちゃったw
普通の生活は支障はないけど、激しい運動は控えたほうがいいって言われる始末よ!?最悪だよね。
それってあたしの人生否定されたようなもんじゃん?なんの為に親まで捨てて、こっちに来たんだよ!って感じでしょ?
オーディションが受けられなかったのもショックだったけど、なによりも唯一続けてこれたダンスがもう出来ないってわかったら、全てがどうでもよくなっちゃてさ。
もうこの世にいても意味がないって思っちゃって。マジで死のうとも考えたよw半年くらい荒れまくってたね。身も心もボロボロになっちゃってさ。
でもね・・・人生捨てたもんじゃないよ。死のうと思っていた人間の前に天使が現れたんだもんw
—天使ってもしかして、あ〜ちゃん?
うんw
綾香をみた瞬間「あっ。天使だ」って本気で思ったんだ。マジで背中から翼が生えてるのが見えたよwってのは大げさだけど。
綾香が隣に住んでると思ったら違くて、どうやら彼氏の家に遊びに来てたらしいんだよね。正確に言うと嫌々付き合ってたみたいだったのね。
んで、運よくもう一回会えたんだ。あたしはこの機会を逃したら絶対後悔するって直感して、どうにかこうにかしてあいつを引き止めたの。
—どうやって?
嘘ついた。その彼氏はあいつの他にも女連れ込んでるって言ったんだ。ほんとはそんな事なかったんだけど。
まー、その彼氏には悪いことしたとは思ってるけど、あたしは絶対にあいつを手に入れたかったからさ。
だってあいつはあたしを絶望の底から救い出してくれた天使だから。誰にも渡したくなかったのよw
てか、この話綾香にしないでね・・・。あいつ嘘嫌いだから。きっとこのコト知ったらヤバくなると思うんだよw
—わかった・・・。
んで、その嘘ついたら急にあいつ怒って出ていっちゃったの。あまりにも急だったからあいつが持ってたカレーが入ってるタッパ忘れてったんだよ。
食べもんだから置いてても腐っちゃうから、食べたんだよね。あたし、カレー大好きだしwで、食べたらチョー美味いの!
もしかしてもう会えないのかなって、思ってたら一週間後くらいにあたしんちに来てくれたんだ。すごくない!?
そん時はマジで嬉しかったな〜。でもそれが顔に出ちゃわないように、表情作るの大変だった〜w
綾香は「タッパ取りにきた」って言ってさ。てか、タッパなんて高価な物じゃないんだからわざわざ取り返しに来なくても別にいいじゃん。
あたしは「これはもしかしてちょっと脈あり!?」って思ったのよ。明らかに綾香の態度が前と違ったし。なんかね、ちょっとキョドってたんだよねw
てか・・・ゆかちゃん、この話聞いてて楽しい?あたし話下手だからおもしろくなくない?
—そんなことないよ。続けて。
そう?んじゃ続けるよ?
それでー、綾香にタッパ返したんだけど、あいつすぐ帰らなくて玄関で突っ立ったままだったの。それ見てますます「もしかして!?」って思っちゃってさw
んであたし待ちきれなくて告っちゃったんだよねw
—なんて言ったの?
えーとね・・・。てか、ちょっと恥ずかしくなっちゃったwやっぱ言わなきゃダメ?
—ダメ。
「あんたの事好きなんだけど付き合わない?」みたいな感じだったかなw突然告られた綾香はポッカーンって顔だったよ。
”付き合う”って事自体もよくわかってなかったみたいだったし。あたしはそんな綾香に言ったのよ。
「あたしとキスして、気持ち悪いって思わなかったら付き合って」って。もちろん綾香は「はぁ!?何言ってるん?」って言われたけどねw
あたしはすかさず綾香にキスしたんだ。そんで綾香に訊いてみたの。「気持ち悪かった?」って。
そしたら首を横に振ったんだよね。その時の綾香はめっちゃ可愛かったな〜w
「付き合ってくれる?」って訊いたら、「その前に名前教えてくれる?」って。そこでわかったんだ。
あたし名前も知らない子に告ってキスしちゃったんだってw今思うとスゲーってか、バカ?w訴えられなくてよかったよw
そっから、綾香と付き合うことになったのよ。
で、アパート更新するのめんどくさかったから綾香のマンションに転がりこんで今に至るのです。
あれ?傷の話のはずなのに、綾香とのきっかけの話になっちゃったね?でへへ、ごめんねw
—いいよ。話してくれてありがと。
てか、自分の話すんの初めてで、めっちゃ恥ずかしかったよ。
傷の事も綾香にはこんな詳しく言ってないもん。もー、ゆかちゃんだけだよw
なーんか、ゆかちゃんには何でも喋れるって感じなんだよね〜。
えへへ、なんでだろ?
—そんなん、ゆかに訊かれても困るよ。
あはは、そーだねw
ホント、、、困るよ。
最終更新:2010年04月05日 22:00