Side N
あ〜ちゃんが目を閉じてから、約30分後…
目を覚ましたあ〜ちゃん
寝てる間に、ゆかちゃんと二人で、ずっと手を握ったままでいたのが嬉しかったみたいで、「ありがとぅ…」って
あたし達の手を抱きしめるように、そう言ってくれる
こんなんでお礼言われるなんて、、
それが嬉しくて
今できるすべてをあ〜ちゃんに
「こんなんだったら、何時でも言うてくれたらするよ?」
「そうよー、てかこんなんしか出来んけどw」
「ん〜ん、これが嬉しいんよ」
そう言いながらあたしは、空いている左手で、あ〜ちゃんの頭をぽんぽんと撫でた
そしたら、、
「今、思ったんけど、なんか二人とも似てるね?」
「「ん」」
何が?と思って二人してあ〜ちゃんの方を見ると
「ふふw同じコトしとる」
Side K
あ〜ちゃんが眠っている間、手を握っていたのが嬉しかったみたいで
大切に私達の手を抱きしめくれて「あるがとぅ…」なんて…
「こんなんだったら、何時でも言うてくれたらするよ?」
「そうよー、てかこんなんしか出来んけどw」
「ん〜ん、これが嬉しいんよ」
今できる精一杯だから、、それを喜んでくれるならと
まだ空いている右手で、あ〜ちゃんの膝に触れて、ぽんぽんと撫でた
そしたら、、
「今、思ったんけど、なんか二人とも似てるね?」
「「ん」」
何が?という感じで二人してあ〜ちゃんの方を見ると
「ふふw同じコトしとる」
その言葉に、のっちの方を見ると
あ〜ちゃんの頭に置かれた、のっちの左手を見つけて
「「あっ」」
って、のっちも、あ〜ちゃんの膝に置かれた私の手に気付いたみたいで
二人同時に、置いていた手で、今度はお互いを指差しながら笑った
「ホンマじゃw」
「確かにw」
「ね?」
あ〜ちゃんもクスクスしてる
そうだよね
「そういえば、似とるんだわ。うちら」
「だね。似てたね?」
だから、あ〜ちゃんをのっちにお願いしたんだ
今は、あ〜ちゃんを好き同士
あ〜ちゃんは目の前にいるのに、二人とも不器用で、、困ったもんだw
一瞬のっちと視線が重なって、多分のっちも同じ気持ちだったみたいで、一緒にクスッと笑いが出た
そんな私たちを見て
「よっしゃ!ほいじゃ、行きますか?」
そう言って、元気良く体を起こすあ〜ちゃん
「あ〜ちゃん、もう平気なん?」
「うん、もう動けるけぇ。皆に迷惑かけた分、挽回せにゃぁ」
「無理だけはせんでよ?」
「解っとるって」
顔を見せてくれるけど、きっと万全ではない、だけど沢山の人たちの期待に応えたいという想い
まだ少し心配が残る私たち二人の手を、もう一度あ〜ちゃんが両手で包み込んでくれて
うん、、この温かさが、すごく大好きなんだよね
そんなあ〜ちゃんの想いに応えるように、もう一度あ〜ちゃんに手を重ねる
それはまるで、ライブ前みたいで…
「なんか、ライブ前みたいじゃねw?」
「私もそう思ったw」
「折角だからやっとく?」
「えー、これライブ思い出して変な緊張するけぇ、嫌じゃ」
「私もー」
「えwwのっちの提案ボツっすか?」
「しょうがないじゃろ?武道館までとっとくのー」
「うwへぃ…」
あ〜ちゃんに拒否られて、ちょっと拗ね気味なのっち
もうw
こういうのっち、嫌いじゃないんだよねw
Side N
「はぃはぃwしょげとらんと、行くよ?そうしとる間にも時間は過ぎとるんけぇ。もったいないじゃろ?」
あたしが一人しょげてると、ゆかちゃんが立ち上がって頭をわしゃわしゃっと撫でてくれた
それに続くようにあ〜ちゃんも立ち上がる
「そうじゃのっち!うちらにモタモタしとる時間はないんよ」
「はへ?」
「なぁに、ボケッとしとるんよ?ホレ行くよ?」
一人ぽつんと、若干置いてけぼりのあたしに、スッと手を差し出してくれるあ〜ちゃん
それがちょっと予想外で、思わず目をパチクリさせてしまった
戸惑ってなかなか手を出せずにいたら、あ〜ちゃんの指先がヒョイヒョイと動いて
あ〜、この手を取っても良いんだって嬉しくなって、ようやく手を掴もうとした所で
あたしの手が乗る前に、ポンと置かれた手があって
その大きな手の持ち主は、ちょっと悪戯に笑って
「のっちは一人で立てるじゃろ?」
「え、あ、まぁw」
そりゃ立てますけど、、折角あ〜ちゃんが差し出してくれたのにぃw
「じゃ、そういうことでwあ〜ちゃん行こ?」
「え?ちょ、ゆかちゃん?」
あたしをお構い無しで、あ〜ちゃんの手を握って、そのまま出口に向かうゆかちゃん
…。これが宣戦布告の力ですか?w
「ちょっとw置いてかないでよぅw」
慌てて立ち上がって、二人を追いかけると
あたしを心配して振り向いてくれたあ〜ちゃんが、ゆかちゃんと繋いだ方と反対の手を伸ばしてくれて
今度は迷わずその手を、しっかり掴まえた
そうだ、、
いつでもあ〜ちゃんから手を伸ばしてくれて、あたしを光の中へと連れ出してくれてたんだ
過ぎ行く時間の中で、今度はきっと…
あたしからこの手を伸ばすから
もし、嫌じゃなかったら
またその手を
重ねて下さい…
—つづく—
最終更新:2010年04月05日 22:07