はぁ・・・・
水面がきらきらしてる。
あの日も、とても天気がよくて、こんなだったな、、
ゆかちゃんが消えてしまってから
毎月のように足を運ぶ、思い出の公園。
時間は確実に過ぎてるはずなのに
のっちはまだ
あの日から、動けないままでいる。
高い高い空を見上げると
陽の光が、まぶしすぎて、、、
思わず、左目を閉じる。
あぁ、、、引っ越そうかな・・・
さすがに、ふたりの思い出の詰まった
あのうちで、ひとりで暮らしてゆくのも、、なぁ・・
ゆかちゃん?
のっちは、あれから
またもとの、ヘタレに戻っちゃったみたいです。
生きる意味を教えてくれたキミはもういないから、、、なんて
ほんと、情けないよね、、、、ごめん。
「幸せだった」そう言った、キミのことばは、きっと、ホンモノ。
のっちだって、、、そうだよ。
なのに、苦しいんだ・・・さみしくって仕方ない。
ねぇ、最期にキミは
なにを思っていたの?
誰かの視線を感じて、ふと顔をあげると、、、、
…え?
「なに?」
「え?」
「あたし、どうして、そんなに見つめられてるの?」
「あ、いや、ごめん」
いやいや、だって
ゆかちゃん、そっくりなんだもん。
どう見たって、、、、、黒いゆかちゃん。
てか、見られてたの、のっちじゃない?
「そんなに、驚くような顔?」
「や、そうじゃなくて、、うん、知ってる人に似てるから」
似てるなんてもんじゃないけれど。
「…、そう。あたしも」
「へっ?」
「あんたに似た人、、、知ってる、、」
「あ、そうなんだ」
あんたって、、、この人すごいな、初対面なのに。
「ねぇ、その人って、白い人?」
「えっ?」
「で、、恋人?」
「え、や、、なんで!?」
この人、エスパーかなにかですか?
すると、彼女は、のっちを指差して
「その瞳、“変異”でしょ?」
「え、あぁ、、、うん」
ゆかちゃんが消えてから、のっちの左目は色素が薄くなった。
少々、光がまぶしく感じるくらいで、特に問題はないのだけれど…
「でも、どうして?」
「ん?あたしの大切な人も、白だったの」
「へ?」
「だから」
いやいや、だからって、全然わかんないんですけど。
「ふふっwあいつが言ってたの。白が消えるときは
1番大切な人になにかを残したり、一部になれたりするんだって」
「…そう、なの?」
「うん。あ、お互いが、同じくらい想いあってる場合、ね」
「へぇ・・」
「うん。でも、超いい加減なヤツだったから、嘘かホントかわかんないけどw」
「でも、なんかあったから、そんなこと言うんでしょ?」
「へへっw」
「…見たところ、変わったとこは、ないみたいだけ、ど?」
「うん、内緒っw」
うわっ、、その笑顔は反則だよ・・・
あ〜ちゃんとあやちゃんでわかってたことだけど
ここまで似てると、わけわかんなくなる。
「・・・消えちゃった、、んだよ、ね?」
「ん?・・・うん」
さっきまでとはうって変わって、やわらかな微笑み。
「・・さみしくない、の?」
「そりゃ、さみしい、よ?」
「・・・後悔、してない?」
「後悔?」
のっちは、どうしてもそこから、抜け出せないんだ。
後悔?なのか、なんなのか、そこんとこは、わかんないんだけど、、、
「ないよ?だって、そしたら、ふたりが積み重ねたこと、
全部否定しちゃうみたいじゃん?」
「えっ?」
「それに、ただ、恋に落ちて、想いあって、
いたいから、一緒にいただけなんだから」
「…」
「違うの?」
「そう」
ほんと、その通り。
「なんてねw全部、あいつの受け売りなんだけど、ね」
「へっ?」
「でもほんと、そだなぁって。それに悔しいんだけどさ」
「うん」
「あいつがいたから、幸せだったって。紛れもない事実なんよねぇw
だからきっと、あたしがあいつの立場でも同じだっただろなって」
「同じ?」
「うん。きっと、消えてなくなっても、あいつの傍なら、
後悔なんて、絶対しなかったって思う」
そう言って、ほんと幸せそうに笑うもんだから
「うん、のっちもそうだわ」て。
「でしょ?」
ゆかちゃん?
やっぱ、のっちは、バカだね。
こんな単純なこと、なんでもっと早く気付かなかったんだろ。
ようやく
キミが最後の日々、なにを想っていたのか
わかる気がする、よ。
「じゃ、あたしは、これで」
「うん、ありがとう」
「ん、なにが?」
「んと、、いろいろ?」
「じゃ、、どういたしましてw」
あ、も一つわかったこと。
やっぱ、惚れたのは外見だけじゃなかったみたい。
だって、目の前の彼女。
キミにそっくりで、確かに、とてもかわいいけど、、
それだけ、だもん。
「じゃぁね」
「うん、じゃぁ」
「あ」
「ん?」
「その瞳」
「うん」
「きっと、その人が、あんたと、同じもの見て
同じようにいろいろ感じたいと思ったから、だよ」
「へ?」
「なんて、ねwじゃ〜」
黒い羽を羽ばたかせて、彼女は去っていった。
なんだ、意外とロマンティストなのかも。
ふっ。
思わずこぼれた笑い。
あぁ、ほんと、のっちって単純。
さっきまでのもやもやなんて、どっかに消えちゃったみたい。
なんだか、あの日から、ずっと縛られていた鎖がほどけたように
ココロが軽くなったようだ。
ま、縛っていたのは、自分自身だったわけなんだけど・・
さて、と。
帰ろうっかな。
うん、うちに帰ろう。
そう思って、羽を出した瞬間だった。
「…のっち?」
最終更新:2010年04月05日 22:26