sideN
「ねぇ、なんで急に医者目指したの?」
「……ってか、うちみんな医者なんだよねーw」
「あ!そっかw」
「しょーがなくね?」
「ないないw」
しょうがなく、ない、けど。
6年前、妹が倒れた。
でもすぐ治った。
けど、
4年前、また倒れた。
今度はすぐ治らなかった。
まだまだ道を踏み外してる途中の自分に、正面からガツーンときた、謂わば“事件”だ。
気付いていたのかな?6年前から。
てか、知らなかったの自分だけ?
いやぁ、、まさか。絶対あ〜ちゃんも知らなかったよな。あの慌てっぷり。
「てか、じゃあ妹ちゃんのため!!とかではないんだ?」
「……ないよ。そんなドラマw」
「なーんだ。つまんねーw」
「つまんねんだよw」
いや、うん。あるよ。
そうだよ、彩様。あんた勘がいいから困る。
何を隠そう、有香のため、だ。
あの時泣きながら言われた言葉が、今でも胸と脳みそに焼き付いて、離れないでいる。
『のっち、お姉ちゃんじゃん!ゆかを助けてよ!』
助けるよ。必ず、助ける。
あの時病気のことを知りながら、それを知らない自分にむかって、そんなことをあいつは言った。
意味がわからなかったけど、あのあとすぐに、嫌でも思い知らされた。
有香は病気だって。
生まれた時から病弱だったんだって。
ちくしょ。なんだよ。先、言えよ。
先に言われてたら、何か違ったのか?
卑怯だな、自分は。
でも、それがきっかけ、だ。
まともな生活も、まじめな生活も、
全部、有香のため、だ。
最終更新:2010年04月05日 22:36