いちご狩りツアーから1週間ぶりにあ〜ちゃんに会った。
久々にふたりのマンションに遊びにいった。
久々に来たからか、なんだか部屋がアッサリしてる気がする。
「あれ?模様替えでもした?なんかスッキリしてない?」
ゆかは素直にあ〜ちゃんに訊いてみた。
「あぁ・・・。のっちの物がないからじゃないの」
「・・・え?」
ん?どういうこと?なんで、のっちの物がないの?
あぁ、そうか!
「のっち、また仕事で家空けてるの?」
「ううん。違う。うちら、別れたんよ」
「へ?」
あ〜ちゃん、今なんて言ったの?すんごい重大なことサラっと発表したよね?
「別れ、た?・・・マジ、で?」
「うん。マジで」
なんでそんな涼しそうな顔してるん。紅茶なんて飲んでる状態じゃないでしょ。
「どし、て?」
チラっとゆかを見たあ〜ちゃんは間を空けて口を開いた。
「・・・好きな人が、出来たから」
その言葉を理解するのにかなり時間が掛かった。
「あ〜ちゃん、それマジで言ってるん?」
「・・・マジよ。大真面目」
「のっちはそれで納得いったの?」
「いったよ。だからいないんじゃけぇ」
「ほんまに、好きな人が出来たの?」
「ほんまよ〜。もー、ゆかちゃん疑り深いなw」
「好きな人が出来たからって・・・二年以上も一緒にいたのに、簡単に別れられるの?」
やばい、なんだこれ。驚きとショックで軽くパニック。
「しょうがないけぇ。もう一緒にはいれん」
「なんでよ!なんで一緒にいれんのよ!てか、のっち今どこにいんのよ!」
「しらん。たぶん、仕事関係の人んちにいるんじゃない?」
あまりにも淡々としてるあ〜ちゃんを目の前にして、段々と苛立ちと怒りが芽生えてきた。
「なんでそんな冷静なん!ずっと一緒にいたのに、心配とかしないん?」
「もうそれはあ〜ちゃんの役目じゃないけぇ」
「はぁぁ?」
「なんでゆかちゃんがカリカリ怒ってるん?」
「は?」
「もっと喜びんさいよ。これでのっちはゆかちゃんのものになるんじゃけぇ」
は?この人なに言ってんの?意味わかんないんですけど。
「ずっと欲しかったんでしょ?」
「な、にが?」
「またまた〜wとぼけちゃってぇ」
なんだろ。目の前にいるのがあ〜ちゃんじゃないみたい。違う人にみえる。すんごいムカつく。
「知っとったよ。ゆかちゃんがのっちを好きなこと」
「!?」
「知っとったけど、知らないフリしてた。気持ちを隠してるゆかちゃんに合わしてた」
「いつ、から?」
「ふふ。否定しないんじゃwやっと認めてくれたけぇ」
そう低い声で言うあ〜ちゃんの視線は鋭くて、さっきまでムカついていた気持ちがそれに破壊された。
「だからゆかちゃんなら、いいかなって思ったんよ」
「なにが?」
「ゆかちゃんにならのっちを渡してもいいって思ったんよ」
「はぁ?なにそれ?のっちは物じゃないよ!!てか、全然意味がわからないんだけど!」
「まぁまぁ、ちょっと落ち着いてよw」
「落ち着けないよ!!マジでさ!あ〜ちゃん、何考えてんの!自分のことしか考えてないじゃん!!のっちの気持ちも考えたの!?」
「考えたよ〜。だから、ゆかちゃんにあげるって言ってんのにぃw」
「だからさ!渡すとか、あげるとかさ、のっちは物じゃないんだよ!一人の人間なんだよ!ちゃんと気持ちがあるんだよ!!」
やばい。のっちの気持ちをよく知ってるから、感情移入しちゃって泣けてきた。
なんかすんげームカつく。これがあ〜ちゃんの本性なの?幻滅した。ゆか、こんな子に憧れてたんだ。
前にのっちから聞いてた、本当は計算高くて性質が悪いってマジだったんだ。
「信じらんない。あ〜ちゃん、最低だよ・・・」
「・・・もしかして、うちらの友情もこれで終わり?」
「あ〜ちゃんが自分で終わらせたんじゃん・・・」
「ははは、、、。フツー、そうだよ、ね。そうなるけんね。うん。これで、よかったんじゃけぇ」
「なにがよかっただよ!全然よくないじゃん!!」
「ごめん。実はこれから彼が来るんよ。ゆかちゃん、もう帰ってくれる?」
「は?てか、なに?もう付き合ってんの?」
「・・・うん」
あ〜ちゃんは立ち上がって、ゆかのコートと鞄を渡してきた。
ゆかはそれを奪い取り、あ〜ちゃんの頬を叩いた。
さっきまで大好きだった親友が一気に大嫌いになった。
叩かれたあ〜ちゃんは何も言わなかった。
かわりに涙を流してた。
なんで泣くの?
今のあ〜ちゃんは泣く権利なんてないじゃん。
ゆかが泣かしたけど、謝らなかった。
きっとのっちの方が何倍も何十倍も傷ついてるから。
のっちの代わりにあ〜ちゃんを叩いた。
「のっちのこと、よろしくね」
「そんなん言われなくてもわかっとる!!」
意味がわからない。わからなすぎる。
わけわからんよ。なんで、なんでなの。
のっち、のっち、のっち!!
今、行くから!すぐ、行くから!!
ゆかは急いであ〜ちゃんの部屋を飛び出した。
最終更新:2010年04月05日 22:39