Side K
「ゆかちゃん、ごめん…」
のっちが週刊誌に載ったその日
のっちに謝られた
「謝る相手が、違うじゃろ…」
「うん…でも、ゆかちゃんにも謝らなきゃと思って…」
「なんで?」
「ゆかちゃんも気付いたでしょ?あ〜ちゃんの表情が歪んだの…」
「、、まぁ…」
でもそれはきっと、のっちだから
やっぱりあ〜ちゃんの中には、まだのっちがいるんだよ
私なんかじゃきっと、、あの表情はしてくれないと思う
「ゆかちゃんの大好きな笑顔、、曇らせちゃったけぇ。ごめん」
はぁ…
それもそうだけど、、あんたの眉も相当なもんよ?
Side N
あ〜ちゃんが側にいないという現実は、寂しくて…
その寂しさからあたしは逃げたんだ
こんな思いするなら、諦めようかって…
でも結局…
「で?」
「え?」
「のっちの気持ちはぁ、あ〜ちゃんから離れたん?」
「…」
ゆかちゃんの質問に、あたしはただ首を横に振った
結局、あたしには無理だった
だって、あたしがしたその行為は、あ〜ちゃんへの想いを再確認することにしかならなかったから
でもまさか、それがPerfumeへのダメージに繋がるなんて、自分の意識の低さにガッカリだよ…
「だったら、かまわん…」
「けど…」
「ん?」
「次は、せんでよ?」
「もう、しないよ」
「もし、寂しかったら、私呼んでも良いけぇ。側にくらい居てあげるけぇ…」
あ〜ちゃんを悲しませないで…
そう続きそうな表情だった
うん、、
もう無理だって分かったから
諦めるなんて無駄な事、、しないよ
Side K
自分たちなんて、まだまだそんなに知名度なんて高くない
だから、今回の件もそんなに影響ないって、そう思ってた
ただ、Perfumuとしては、のっちの人気は大きいから、ファンの間でそれなりに非難の声が上がることは予想できた
でも翌週…
私のカフェデートとして報じられた『Perfumu第2弾』
その第2弾という表現で、第3弾としてあ〜ちゃんが載るんじゃないか、そういう憶測が飛び交って、でも実際載ることはなくて、、なのに、今度はそのことでまた違う憶測が沸いて出てきていた
それ以外のところでも、あ〜ちゃんの言葉を変な風に解釈されてたり…
うちらならともかく、、
なんで何もしてないあ〜ちゃんが、そんな風に言われなきゃいけないのよ?
おかしいでしょ…
世の中は理不尽だ
あ〜ちゃんは真面目だから、それが今の自分の評価なんだって、すべてを受け止める
私たちのことさえも、まるで自分のコトみたいに…
申し訳なさでいっぱいな私達に、これからが大事だからって
今は目の前にある二つの目標を、見失っちゃいけないって
三人で踏ん張る時だって…
そう言ってくれるから
あ〜ちゃんの笑顔に、のっちと顔を見合わせて、そうだねって…
こんな時にもちゃんと笑顔でさ…
その笑顔に、どれだけ助けられてきたか
だけど、、見えないファンへの疑心が、あ〜ちゃんの笑顔を奪っていく
いつも一緒にいるスタッフさんたちなら問題ないけど、一旦メディアへと場所を移すと、あ〜ちゃんの笑顔は不安へと色を変えていく
トークもいつものキレがなくて…
アルバム発売に向けて、ラジオへの出演が増えてくる
あ〜ちゃんが心配で、のっちと二人で声を掛けてみるけど、今のあ〜ちゃんに上手く届かなくて、、
メールでも、なんてことない内容で、あ〜ちゃんの気が紛れてくれたら良いなって思うけど
そんな自分の無力さが歯痒い
そしてそんなあ〜ちゃんを救ったのは、ファンの皆
アルバムの発売日、朝から一日ラジオでのPRが決まっていて、その中に公録もあって、直接ファンの皆と会える機会があった
今まで見えなかったモノが見えて、あ〜ちゃんの不安が少しでも無くなってくれると良いんだけど…
あ〜ちゃんは泣きそうになりながら、というか、実際涙も流れて、のっちがパーカーの袖で拭いてあげてた
私もあ〜ちゃんの隣で、大丈夫だよって、皆がいてくれるよって、頭や手に触れながら伝えていく
そして、レギュラー番組の収録前に、アルバムデイリー1位の報告を聞いて
そこから、いつものあ〜ちゃんを取り戻し始めた
それでどれだけ安心したか分からない
改めてファンの皆の力を感じた
そして、感謝した
あ〜ちゃんを守ってくれてありがとう
—つづく—
最終更新:2010年05月17日 21:26