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一緒に暮らし始めてからも
彼女の生活が、特に大きく変わることはなかった。

帰ってこないことも、ちょくちょくあるし
ちらっと見え隠れする、痕も、相変わらず。


どこか、なにかしらの変化を期待していたはずだったけど
だからと言って、なにかにがっかりすることもなく。


時間は、当たり前のように過ぎていく。

あたしたちの、奇妙な関係も、続いてゆく。



「ただいまぁ」
「おかえり」
「あ、いいにおい!もしかして、ハンバーグ?」
「そう、大正解!」

やったぁ、なんて
無邪気に笑うあなたは、ほんとかわいい。


「いただきまぁす」
「いただきます」
「うん、おいしぃ」
「そ?」
「うん。のっちって意外と料理うまいよね」
「意外とは、余計だし」
「意外と尽くすしね」
「だから、意外とは失礼だよ」


「いい“お嫁さん”になるんじゃない?…意外と、ね」
「…」
「、、のっち?」
「あ、、うん。…それは、どうかな?」
「え?」
「のっちは、、“欠けてる”から」

「だから、逃げられちゃったんだよ」なんて
自嘲気味に呟くと


一つ間をおいて

「ゆかなら、逃げんのに、ね」


え、なに言ってんの?
どういう意味なの、それ?

「ふっ、なに、そんなに驚いた顔してんの?」

「いやいや、らしくないこと言うから」


あぁ、、なんて言って、あやふやに微笑んだ。

そして


「だって、そもそも、ゆかとのっちは、そういうんじゃないじゃん?」


あ、なるほど、そういうこと、か。


さっきまでの疑問はすっきりしたくせに


まだ、うっすらと彼女の鎖骨らへんに残ってる痕が
なんだか、とても目障りで

でも、なんで目障りなのかは、

全然わかんなかった。




最終更新:2010年05月17日 21:37