っん!
「あ、ごめん、起こしちゃった?」
目を覚ますと、目の前には
やさしい顔したのっち。
そして、頬には
ひんやりとしたタオル。
あら、そっか
あのまま、ソファで眠っちゃったのか…
「おはよ」
「おはよぉ、、、あ」
「ん?」
「ご飯の、におい」
「あ、うん。もうすぐ炊き上がるよ」
どうしてだろう?
「ありがとぉ」
「え?」
「タオルと、、、ご飯」
「あぁ、どういたしまして」
朝食は、簡単にパンの日が多いけれど
たまにこうして、ご飯を炊いてくれる。
それも決まって、ゆかが落ち込んでいるとき。
「…頬、まだ少し腫れてる、ね」
「仕事、大丈夫、かな」
「昼からだよね?それまで冷やしておけば、、、たぶん」
困ったように笑うくせに
どうして、こんなにもやさしいんだろう?
「…あのさ、ゆかちゃん?」
「なに?」
「こんなこと言われるの、ヤだと思うんだけど…」
「ん?」
「・・・・別れれば、あいつと」
どうして、そんな泣きそうな顔すんの?
「それって、干渉?」
「…ごめん」
わかんないけど、困った顔、嫌いじゃない。
「・・・なんてね。別れたよ?」
「え?」
「別れてきた」
「そうなん?」
「うん。ゆかが煽ったからって言っても
さすがに、あれはいきすぎだから」
「そだよね、、、そっか」
ちゃんと安心させる方法だってわかってる。
「のっちさぁ、ほんと、ゆかのこと好きだよね」
だけど、、、いや
だからこそ、イジワルしたくなる。
「…なに言ってんの?」
おっきな瞳パチパチさせて、うかがうようにゆかを見る。
「あれ、違う?」
もっと、焦ると思ったのに
もっと、焦らせたかったのに
「…そだよ。大好きだよ」
真剣な顔して言うもんだから、不覚にもドキッとした。
「でも、、恋でも、愛でも、ないけどね」
寂しそうに言うもんだから、胸がキリッと痛んだ。
あぁ、、この表情するのっちは
あまり、好きくない。
「…、て、そう言ったのは、ゆかちゃんなんだけど・・」
え?そうだっけ?
そんなこと言った?
て、なんの話?
「なんて。さっ、ご飯食べよ」
のっちは、何事もなかったかのように動き出した。
「あ、うん、そだね」
ゆかは、そう答えるだけで、精一杯だった。
最終更新:2010年11月06日 00:41