「ねぇ?」
「んー?」
「やっぱなんでもにゃいw」
「なーん?めっちゃ気になるんですけどw」
一人暮らしをして早一年。
彼女と寝るようになって早半年。
「あっ、携帯光っとる」
そう言って彼女はベッドから一度抜け出してそれを取りに行く。
うっとり見とれてしまう白い背中がとっても綺麗。
携帯を取りに行った彼女はまた同じ場所に戻ってきた。
あたしはすかさず猫の様に彼女に擦り寄る。
彼女はニコって笑ってあたしの自慢の髪を撫でてくれた。
それだけで幸せ。
「誰から?」
「んー、のっちからだった」
「なんて?」
「明日仕事何時からだっけ?だって」
「・・・明日仕事なくなったじゃん」
「ねっwのっちらしいよね?」
そう明日は仕事がなくなった。
だからゆっくり出来る。
本当は彼女に泊まってほしい。
でも言えない。
なんで?
だって彼女は寝てくれるけど、一度も泊まったことがないから。
理由なんて訊けない。
訊いたら終わっちゃう気がするから。
「あやちゃん・・・」
「ん?」
『好き』って言っていいのかな?
言えないよ。
だって、さ・・・。
白い綺麗な背中にあるその痕って、あの人が付けたやつだよね・・・。
「なーん?ゆかちゃんさっきから歯切れ悪すぎじゃよ?」
ふふって笑って彼女はあたしをギュって抱きしめてくれた。
それだけで幸せ。
「つけてええ?」
「なに、を?」
「えーそこ訊いちゃう?w」
そのちょっとイジワルな顔が見たくてわざと訊いたんだもん。
「いいよ。つけて」
「やった。じゃ、衣装から見えないところねw」
「でも、ゆか・・・一番露出するし変態丈だから、、、」
「じゃあ〜、どこがええ?」
そう言って彼女は嬉しそうにあたしの身体を眺めてる。
それだけであたしは軽く興奮する。
「ここに決めた」
彼女が決めた場所は丁度心臓のあたりの左の乳房の下。
「ぎゃは。付けちゃったw」
無邪気に笑う彼女がまたらなく愛おしい。
「でもこの痕、彼氏にどう説明するん?」
「・・・虫にさされたって言う」
『もうあの人とはこういう事してないから』とは言えなかった。
言えばいいじゃん。
彼よりもあなたの方が好きって。
じゃあ、なんでまだ彼と付き合ってるんだろ・・・。
自分でもわかんない。
「じゃあ、もっと虫にさされた事にしといてよw」
「えっ?」
彼女はゆかの身体中に痕を付けた。
器用な事にどれもちゃんと衣装で隠れる部分に残した。
それだけであたしは十分に濡れた。
「ゆかもつけてええ?」
「んー、それはちょっと・・・」
なんでよ。
あの人は付けてよくて、あたしはダメなの?
「ほら、あたし家族と一緒じゃろ?ちゃあぽんとかにバレると恥ずかしいけw」
そんな適当な嘘いらないよ。
「じゃあ、もう一回シ、て?」
あたしはこれくらいのワガママで精一杯。
それ以上になると、彼女に嫌われちゃう気がするから。
「ええよww」
くしゃって笑う彼女の顔が好きなの。
あたしの弱い部分を知ってる指が好きなの。
あたしの気持ちいい部分を知ってる唇が好きなの。
あたしのものにならない彼女が好きなの。
「行くの?」
「・・・うん」
だって今、夜中の12時だよ?
『泊まっていけばいいじゃん』って言いたいけど、言えない。
「今日は帰るってお母さんに言ってたから・・・ごめんねw」
彼女はすでに着替えていた。
知ってるよ。
本当はさっきのメール、のっちからじゃないってこと。
あの人からでしょ?
これからあの人のところに行くんでしょ?
『行かないで』って言いたかったけど、言えない。
「ねぇ、あやちゃん」
「うん?」
「うちらって・・・」
「ん?」
「うちらって、どんな関係なんじゃろ・・・」
今日ずっと訊きたかった事。
彼女は笑って何も答えず、あたしにキスを残して部屋から出て行った。
— Fin —
最終更新:2010年11月06日 00:56