「なんか変なの」
めずらしく、2人の休日が一緒になって
夕食後も、のんびりDVDを見てるときだった。
「なにが?」
「ゆかちゃん、最近、ずっとうちにいるから」
そう言って、嬉しそうに笑うのっち。
ゆかは、のっちのお腹らへんに頭をのっけている。
「あぁ、たしかにね」
「次の人、見つからないの?」
「なぁんか、トゲのある言い方ぁ」
「え、別に、そんなつもりないけど…」
「ふっ、冗談だよ。うん、まぁ、見つからないっていうか、、、
もう、なんか、いいかなって」
「いいかな、、、、て?」
「うん、なんか、そんな感じ」
「ふーん」
視線はTV画面に戻る。
横顔きれーだなぁ、、、てか、ほんと
黙ってれば、美人さんだよね。
この人に、夢中になる人のキモチ、わからなくはない。
でも、どれだけの人が、うわべだけじゃないとこまで
知っているだろうか?
適当なフリして繊細で、繊細なフリして適当で。
見た目のクールさとは、かけ離れてるくらい、熱くって。
なのに、とんでもないくらい、やわらかくて、やさしい。
最近、一緒に暮らそうって言ってくれた意味が
なんとなく、わかってきた気がする。
てか、一緒に暮らしてもいいかなって思えた、わけ?
のっちは、ゆかが
どこかに置き忘れてきた、感情をもっている。
「のっち?」
「んー?」
「…なんもない」
「なぁんだ、それぇ」
あのさぁ、まだ、さ
“彼女”のこと、、、、
〜♪
不意な着信音は
ゆかの、、、じゃなくて、のっちの。
めずらしい。
「もしもし?」
「あ、うん、え?今から?」
「いや、まぁ、、うん、わかった」
「ん?うん、店、だよね?今いくから、待ってて」
え?今から?
もう、こんな時間だよ?
今から、出かけるの?
「ゆかちゃん、ごめん。のっち、ちょっと出かけてくる」
「…今から?・・・なになに、まさか恋人とか?」
冗談めかして、聞いてみただけなのに
「あ、あぁ、、、いや、そういうわけでもないんだけど」
なに、その歯切れの悪い返事。
「…けど?」
「んー、、ちょっとね。頼まれごと?」
「は?なにそれ」
「あ、ごめん、急ぐし、またちゃんと話すね」
じゃ。
そう言って、のっちは出かけてしまった。
なに、それ
全然わかんないんだけど。
それに、なに?
この、もやもや。
てか、いらいら?
全っ然、わかんない。
最終更新:2010年11月06日 00:58