「は?恋人のフリ?」
「そ、恋人のフリしてって、頼まれたの」
「なんで!」
「いや、しつこいオトコに言い寄られてんだって」
「で?」
「で、諦めさせるために?」
「なんで、のっちなん!」
「いやぁ、ま、他に誰かいるでしょって言ったんだけど、、
同性のほうが、可能性ないって思わせられるからって」
「は?」
「だから」
なにそれ、ほんとわけわかんないんだけど。
あれから、出かけたのっちは、朝方帰ってきて
ゆかは、バカみたいに眠れなくって
半分、目が閉じかけたのっちを、つかまえて、問い詰めた。
「だからって、別にのっちじゃなくってもいいじゃん!」
「ま、そうなんだけど、、でも、あれなんだよね。
のっちが、“彼女”と暮らしてたの、職場じゃ、周知の事実だから」
「…」
「ある意味、とても説得力があるわけですよ」
かもしれないけど、、、けど・・
「絶対、言い訳だよ」
「え?」
「その娘、絶対、のっちのこと好きなんだって!」
「それは、、ないんじゃない?
てか、ゆかちゃん、その娘のこと、知らないじゃん」
「だけど、きっとそうだもん!!」
のっちの顔から表情が消える。
「仮にそうだとして、だよ?別に、いいじゃん」
「っ!」
「ゆかちゃんには、カンケイないよ」
「・・・」
「でしょ?そんなに、必死になることないじゃん」
カンケイない?
そうかもしれないけど、、、そうなんだけれど、、、
なんで、そんなふうに言うの?
なんで、必死になってんの?
そんなの、ゆかにだってわかんないよ。
でも、なんか
すごく、ヤ。
ヤなことだけは、嫌なくらいわかる。
「・・・のっち、もう、、、“彼女”のことは、いいんだ?」
あ、泣く・・・・
そう思ったけれど、のっちは泣かなかった。
「いいもなにも、、、、もう、終わったことだもん」
逆に泣きそうになったのは
なぜかわかんないけれど
ゆかのほうだった。
最終更新:2010年11月06日 01:04